◎イギリスの感染者数はここ数カ月高い水準を維持している。
11月15日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は西欧の一部と中東欧諸国でデルタ株が猛威を振るっていることを受け、ブースターショットの接種対象を拡大し、「感染の嵐」に備えると述べた。
政府にコロナ対策を助言する専門家委員会は、近隣諸国で進行中の感染拡大はヨーロッパ全土に広がる可能性があると懸念を表明し、ブースターの接種対象を50歳以上から「40歳以上」に拡大した。当局は2回目から6か月後にブースターを接種するよう推奨している。
また委員会は、16歳と17歳に対するファイザーワクチンの2回目接種を承認したことも明らかにした。イギリスは12歳~18歳未満への1回接種を認めているが、2回目はまだ承認していなかった。
ジョンソン首相はオランダとオーストリアで施行された部分封鎖に言及し、「イギリスに嵐が迫っているため、専門家の勧告を受け入れ、速やかにブースターを接種してほしい」と国民に呼びかけた。
またジョンソン首相は中東欧諸国のパンデミックは西欧に迫っていると述べ、「対応を誤ればロックダウン、ワクチン未接種者限定の外出禁止令、営業時間の制限、クリスマスパーティの禁止など、制限を再開せざるを得なくなる」と警告した。
Withコロナを推進しているイギリスの感染者数は、ここ数カ月高い水準を維持している。一方、ドイツ、オランダ、オーストリアなどの感染者数はここ数週間で急激に増加し、懸念を引き起こした。
保健当局によると、イングランドの感染者数は増加傾向にあり、直近7日間の陽性者数は前週から約6%増加したという。死亡者数もわずかに増加しているが、中東欧に比べると上昇率は緩やかである。
ジョンソン首相はマスク着用義務を含む制限の大半を7月に解除し、コロナワクチンパスポートの導入に否定的な考えを示している。
ジョンソン首相は先月の声明で、医療機関が感染者の急増に耐えられなくなった場合、制限の再開を検討すると示唆したが、医療機関に圧力がかかっているという兆候は今のところ見られないと述べていた。
保健当局によると、全国のコロナ入院患者は11月14日時点で約8,500人。今年1月のピーク時に記録した40,000人に比べるとはるかに少ないが、一部の医療専門家は新規陽性者の高止まりを放置すれば1月と同じような事態に陥りかねないと警告している。
ジョンソン首相は、ブースターショットが「違いをもたらす」と強調し、コロナに対する免疫力を引き上げるために、接種対象者は速やかに袖をまくり上げてほしいと呼びかけた。
英国健康安全保障局の最新の研究によると、50歳以上のブースターを接種した被接種者のコロナ発症リスクは約93%低下したという。
政府の主任医療顧問であるクリス・ホイッティ博士は15日、イギリスの感染者数が中東欧諸国と同じレベルで上昇し始めた場合、制限を導入せざるを得ないと警告した。「感染者の増加は死亡者の増加につながります。それが現実になった場合、私たちは今の方針を見直さなければならないでしょう...」
イギリスの70歳以上のブースター接種率は15日時点で約75%に達した。