◎無症状患者は自宅待機。
2022年4月27日/台湾、首都台北の公園(Chiang Ying-ying/AP通信)

これまでコロナウイルスとは無縁だった台湾でも感染拡大が進んでいる。

保健当局によると、27日の新規陽性者は1万1000人を超えたという。

同国の感染者数は3月下旬から増加傾向にある。当局は今月、中国共産党が推進している「ゼロコロナ政策」ではなく、西側諸国と同様の対応を取ると発表した。

これにより、無症状患者は自宅待機が可能となった。

陳世忠 保健相は27日の記者会見で、「新規陽性者の99.7%が無症状または軽症」と説明した。

首都台北で旅行代理店を営む男性はAP通信の取材に対し、「感染予防対策を取りつつ、友人とレストランに行ったり観光したりしている」と語った。「私も友人も3回目接種を終えています。オミクロン株に感染した友人は無症状で鼻水ひとつ出なかったそうです。台湾人はコロナを恐れていません」

台湾の累計死者850人のほとんどが2021年夏以降に報告されている。それ以前は陽性者をほとんど報告していなかった。

同国の制限は欧米の主要国に比べると厳しく、すべての訪問者に2週間の検疫を義務付けるなど、厳しい国境管理を維持してきた。

屋外でも大半の人がしっかりマスクを着けている。公共交通機関、食料品店、劇場を含む屋内施設ではマスク着用が義務づけられている。

ここ数週間の新規陽性者の増加は市民の不安をあおり、迅速検査キットの買い占めが報告された。コンビニもそれを求める客で混雑し、入荷しても即売り切れると伝えられている。

政府は中国のような大量検査を有効とは考えておらず、迅速検査キットの生産に力を入れていなかった。保健相は昨年、国庫はキットではなく他の医療資源に使った方がよいと述べていた。

しかし、政府は今月、キットを製造する国内企業と協力して、全国民に簡易検査を保証する体制を確立すると発表した。

27日にはキットの購入数に制限を設け、ひとり1パック(5個入り)以上の購入を禁じた。購入する際には、手元に備蓄がないことを国民IDで証明する必要がある。

この措置はキットの確保と「転売」を防ぐと期待されている。

一方、保健当局の専門家は、ワクチンを接種していない500万人を心配している。

中央通訊社はCDC(米疾病管理予防センター)での勤務経験もあるメイシャン博士のコメントを引用し、「ワクチンを接種していない人は、3回目接種を終えた人に比べて、中等症以上になる可能性が4倍高い」と報じた。

今回の感染拡大で影響を受けたのは、主に子供と高齢者である。75歳以上の2回接種率は26日時点で72.5%、3回接種率は59.1%にとどまっている。

台北在住の78歳の女性はAP通信に、「迷ったが3回目を接種した」と語った。「アストラゼネカワクチンは副反応が心配だったのでモデルナにしました。私は元気です!」

この女性によると、知り合いの大半は副反応を心配し、3回目接種に踏み切れないという。

小学生の保護も進んでいない。

市内の小学校では感染者が相次いで報告され、一部の学校はオンライン授業に切り替えている。当局は来週から6歳~11歳への接種を開始する予定。

新北市では先週、2歳の男児がコロナに感染し、死亡した。男児に起訴疾患はなかった。

当局者は国民に落ち着きを求めており、感染が拡大しても中等症以上の患者に医療を提供する体制を整えていると繰り返し呼びかけている。

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