◎テグ市のクォン・ヨンジン市長は先月末の記者会見で、「テグ市の医療協会は外国の商社と交渉を行い、ファイザーワクチン3,000万回分を確保した」と語った。
2020年10月30日/ファイザーワクチン(ロイター通信/ファイザー社)

現地メディアによると、韓国の市長はファイザーワクチン詐欺に遭いそうになったこと公の場で謝罪したという。

テグ市のクォン・ヨンジン市長は先月末の記者会見で、「テグ市の医療協会は外国の商社と交渉を行い、ファイザーワクチン3,000万回分を確保した」と語った。「ワクチンは3週間以内に納入される予定です...」

しかし、韓国政府はこの発表に疑問を投げかけ、その後の調査でファイザー社は外国の商社とは取引を行っていないことが判明した。

クォン市長は文在寅大統領のコロナ政策を何度も批判してきた。

韓国のコロナワクチン接種は隣国日本よりは進んでいるが、他の主要先進国に比べると大きく遅れをとっている。Our World in Dataによると、韓国で少なくとも1回ワクチンを接種した人の割合は人口の約16%にとどまっている。

<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/6月9日時点
アメリカ:3億300万回/51%
イギリス:6,800万回/60%
ドイツ:5,600万回/46%
イタリア:3,900万回/44%
フランス:4,000万回/41%
カナダ:2,700万回/62%
日本:1,800万回/11%
韓国:1,100万回/16%
中国:7億9,400万回/45~48%(推定)
インド:2億3,400万回/13%
イスラエル:1,100万回/63%

世界:21億8,000万回/12%
アジア:12億4,000万回/7%
北米:3億7,900万回/39%
ヨーロッパ:3億9,100万回/34%
EU:2億7,400万回/41%
南米:1億3,300万回/21%
アフリカ大陸:3,800万回/2%

地元メディアによると、クォン市長は8日の記者会見で、「ワクチン詐欺に遭遇しかけたことをお詫びする」と謝罪したという。「私の不注意でテグ市のイメージは損なわれました。コロナウイルスで苦しんでいる市民に深い傷と失望を与えたことをお詫びします」

文大統領の与党民主党は8日、「テグ市のワクチンフィッシング事件は韓国の国際的なイメージを傷つけた」とクォン市長を非難した。

地元メディアによると、テグ市の医療協会は外国のフィッシング商社と文書を交換し、保健福祉部(日本の厚生労働省)に移管したという。

しかし、政府は商社との取引をフィッシング詐欺と見抜いたうえで、「ファイザー社は国家または国際保健機関以外とは取引を行っていない」と指摘した。

保健福祉部の政策アドバイザーによると、フィッシング商社の本社は米フロリダ州にあり、電話番号はポルトガルのものだったという。

5月21日に公開された最新の世論調査によると、文大統領の支持率は34%まで回復したという。4月末の支持率は29%だった。

2018年5月26日/北朝鮮の板門店、金正恩 党総書記と韓国の文在寅大統領(AP通信/韓国大統領府)
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