◎上海のロックダウンは5週目に突入した。
中国の規制当局は23日、上海市のコロナ封鎖に懸念を表明するSNS動画の取り締まりを強化した。
中国版ツイッターの「Weibo」や「WeChat」には支援を求める上海市民の投稿が多数寄せられている。
あるWeiboユーザーは「餓死したくない」というメッセージと動画を投稿し、当局に助けを求めた。
別のユーザーは「コロナでは死なない。中国人は餓死するんだ」と不安をあおった。
「何日も食べていない。助けて」と訴える人もいる。
世界を代表する金融都市上海の飢餓危機は、共産党のゼロコロナ政策が限界に近付いていることを示唆している。
しかし、規制当局はSNSに投稿された不満を表明する動画を削除し始めた。
この措置はSNSで反発を招き、多くの批判的なコメントが投稿された。
上海のロックダウンは5週目に突入した。
当局に削除された約6分の動画は、当局の食料配給を痛烈に批判し、劣悪な医療体制に不満を表明している。
「上海市民の声」と題されたこの動画はWeiboとWeChatで広く共有されている。
しかし、規制当局は23日、数千人が共有したとされるこの動画の削除を開始し、多くのユーザーがこれに反発。「共有vs削除」の競争が始まった。
あるユーザーは「携帯に動画を保存しろ!」と呼びかけていた。
共産党指導部の政策を公に批判する人は少ないが、一部の上海市民は自分たちが置かれている劣悪な環境に不満を表明し、SNSで怒りを共有し、当局に苦情を寄せている。
外出禁止区域の住民は食料の確保に苦労しており、当局の配給が遅れていることに不満と怒りを募らせている。
当局は今週、感染者の外出を防ぐためにドアに電子アラームを設置したり、自宅を消毒するなど、対策を一部強化した。
また当局はすべての感染者とその近親者に政府の隔離施設に必ず入るよう命じた。
本土および香港市内で陽性と診断された重症患者は医療機関、軽症と無症状患者は専用の隔離施設に収容され、自宅療養は認められていない。
問題の動画に登場する女性は当局の隔離施設について、「天井もまだ完成していない」と述べている。「患者たちは毛布とベッドを奪い合っています...」
ある男性は「サンキュー、ビッグ・ホワイツ!」と当局者を非難している。市内で活動する当局者は皆、白い防護服を着用している。
当局の動画を削除しようとする試みはSNSで反発を招き、あるWeiboユーザーは「現場の生の声を伝えているだけ」と懸念を表明した。「指導部を批判しているわけではありません。当局に対応を改めてほしいだけです...」
保健当局によると、23日の市内の新規陽性は2万3000人以上、12人の死亡が報告された。
共産党はオミクロン株の撲滅とゼロコロナ政策を追求すると誓っている。
ゼロコロナ政策は他の変異株はうまく抑え込んだが、感染力の強いオミクロン株の封じ込めには失敗した。