◎中国はゼロコロナ政策を追求しているが、オミクロン株の感染力に押され、難しい対応を迫られている。
中国のメディアは15日、上海市の民間マンション、民間展示ホール、学校などを隔離施設として利用する様子を報じた。
中国版ツイッターのWeiboではマンションから追い出された住民と警察官が衝突する動画が公開され、話題を集めている。
複数の住宅地が隔離施設や当局の休憩所になったと報告されている。
上海のロックダウンは3週目に入ったが、オミクロン株の感染拡大が収まる気配は今のところ見られない。市内で生活する数百万人が引きこもりになり、陽性診断を受けた無症状患者は専用の隔離施設、一部の重症患者は医療機関に入院した。
当局は新規陽性者を隔離するスペースの確保に苦労している。
この3週間で市内の展示ホールや学校は隔離施設に様変わりし、仮設の医療機関も複数建設された。
新規陽性者の大半は無症状患者で症状のある患者は少ないため、一部の住民は強制隔離をやめるよう訴えている。
また食料が届かないという苦情も相次いで寄せられている。
住民は宅配業者に食料や水を注文するが、業者は注文者ではなく政府に品を届ける。当局者は数百万人分の食料の仕分けと配送に追われ、ひどく疲弊しているように見える。
ロックダウンの延長は宅配サービス、食料品店のウェブサイト、そして政府の仕分け・配達チームを圧倒した。
一方、国営メディアによると、政府は半導体や自動車メーカーなど660社以上の生産再開を支援するため、上海に専門家チームを派遣したという。
また当局は15日、医療用品の供給とサプライチェーンの円滑な流れを確保する取り組みを開始したと発表した。
この措置は、多くの企業が上海から必要不可欠な部品を調達できなくなり、中国の製造業の一部が一時的に閉鎖されるかもしれないとの報道を受け、対応にあたったものである。
電気自動車メーカーXPengは声明で、「5月中に上海での生産を再開できなければ、中国全土の自動車工場が操業停止に追い込まれる可能性がある」と警告していた。
中国はゼロコロナ政策を追求しているが、オミクロン株の感染力に押され、難しい対応を迫られている。
習近平 国家主席は先週、ゼロコロナを追求すると国民に約束した。