◎娯楽施設などは閉鎖を維持するとしている。
2022年6月1日/中国、上海の繁華街(Aly Song/ロイター通信)

上海当局は1日、市内の公共交通機関や食料品店の営業を予定通り再開すると発表した。

上海市の副市長は記者会見で、「バスと地下鉄はすべて運行を再開し、他の地域への移動も認められる」とした。

国営メディアによると、一部の学校は対面授業を、ショッピングモール、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなども収容率75%以下で営業を再開する予定。

娯楽施設などは閉鎖を維持するとしている。

中国版ツイッターのWeiboには「ようやく外出できる!」「自由!」などといった投稿が相次いで寄せられた。

歩道や住宅の入り口に設置された緑フェンス(通称バリヤー)はほとんど撤去された。AP通信によると、一部の地域ではランニングや散歩を楽しむ市民の姿を確認できたという。ただし、防護服を着た当局者のパトロールは続いており、マスクを外したり大人数で話していたりすると注意される可能性がある。

1日の時点で封鎖下に置かれている市民は50万~100万人と報告されている。これらの地域も感染者がゼロになれば解放される予定。

保健当局によると、市内の新規陽性は2桁台まで減少した。

上海市の高官は5月30日の記者会見で、「上海はコロナとの戦いでかなりの成果を上げた」と述べていた。共産党は2カ月にわたる過酷な戦いを何とか乗り越えようとしている。

SNSには共産党のゼロコロナ政策に懸念を表明する投稿が相次いで寄せられ、一部の医療専門家も政策を見直す時がきたと指摘している。

しかし、共産党は11月に予定されている第20回党大会までは現状を維持する可能性が高いと予想されている。今年の党大会はこの10年で最も重要な政治イベントのひとつとされ、習近平(Xi Jinping)国家主席の歴史的な3期目が決まる見込みである。

封鎖期間中、市内の工場は閉鎖され、半導体の生産量は激減し、世界の半導体不足に拍車をかけた。貿易拠点の港湾都市ではトラック運転手が足りなくなり、多くのコンテナが滞留した。

最新の経済統計によると、上海以外の地域で緩和が進んだ結果、5月の製造業活動は回復の兆しを見せている。

市内の高校3年生と中学3年生は授業を再開する一方、その他の学年、小学校、幼稚園は休校を維持している。

国営メディアによると、他の地域からの旅行はゼロコロナを確立した時点で解禁される予定だとう。当局は「数日間から数週間、感染者ゼロを維持」した時点でゼロコロナを宣言するとみられる。

首都北京も5月31日に制限をさらに緩和した。

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