コロナウイルスの感染拡大を抑えるマスクなどの対策に懐疑的だったトランプ大統領の科学顧問、スコット・アトラス博士が辞任した。
ホワイトハウスの関係者によると、スタンフォード大学の神経放射線科からトランプ大統領の同盟国になったアトラス博士は、予定していた任期を終えたため、辞任したという。
アトラス博士は30日夕方にツイッターを更新、「トランプ大統領と市民のために奉仕できたことを光栄に思う」とツイートした。
Honored to have served @realDonaldTrump and the American people during these difficult times. pic.twitter.com/xT1hRoYBMh
— Scott W. Atlas (@ScottWAtlas) December 1, 2020
アトラス博士は今年夏にホワイトハウスに加わり、アンソニー・ファウチ博士やデボラ・バークス博士を含む政府の科学者と衝突した。
また、感染予防に効果的と証明されたマスクの着用を批判し、チームトランプを除く専門家、科学界、その他関係者から厳しく非難されていた。
数週間前、アトラス博士はミシガン州のコロナウイルス規制についても州の政策を嘲笑したうえで、市民に立ち上がるよう呼び掛けていた。
一連の感染対策軽視発言を受け、スタンフォード大学は教員職から遠ざかるよう促し、「彼は当大学のパンデミックに対するアプローチと矛盾する見解を表明した」と非難した。
スタンフォード大学は声明の中で、「当大学はマスクの着用、社会的距離の確保、監視および診断テストの実施をサポートしている。また、地方および州の保健当局の指導に従うことの重要性も理解している」と述べた。
一方、アトラス博士はトランプ大統領に宛てた辞表の中で自分の役割を擁護し、「パンデミックと政策、特に労働者階級と貧しい人々への被害を最小限に抑えることに焦点を合わせていた」と主張した。
なお、バイデン政権のコロナウイルス対策チームについては、「アメリカを導くために最善を尽くしてほしい」と述べている。
アトラス博士は「特別公務員」として雇われ、契約期間の130日を満了した。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染者数は1,360万件、累計死亡者数は26.8万人。11月30日の新規感染者数は167,756件、死亡者は1,265人だった。
【世界の感染状況/12月1日時点】
累計感染者 | 累計死亡者 | 新規感染者 (直近) | |
世界 | 6,330万人 | 147万人 | 441,157人 |
アメリカ | 1,360万人 | 26.8万人 | 167,756人 |
インド | 946万人 | 13.8万人 | 38,772人 |
ブラジル | 634万人 | 17.3万人 | 21,138人 |
ロシア | 232万人 | 40,464人 | 26,338人 |
フランス | 222万人 | 52,731人 | 4,005人 |
日本 | 14.9万人 | 2,076人 | 2,107人 |