◎ルーマニアの1カ月前の新規陽性者数は1,000件台だったが、デルタ株の感染急拡大を受け、直近7日間の新規陽性者数は1日あたり約10,000件に達した。
2021年10月2日/ルーマニア、首都ブカレストで開催された反政府および反ワクチン抗議(Vadim Ghirda/AP通信)

10月2日、ルーマニアの首都ブカレストで政府のコロナウイルス対策に反対する極右抗議デモが開催され、5,000人以上の活動家が参加した。

ルーマニアの1カ月前の新規陽性者数は1,000件台だったが、デルタ株の感染急拡大を受け、直近7日間の新規陽性者数は1日あたり約10,000件に達した。保健当局のまとめによると、10月2日の新規陽性は過去最高を更新する12,590件。ルーマニアの人口は約2,000万人。

ブカレストを含む各都市の集中治療室の占有率は80~90%近くに達しており、医療機関は総動員体制で対応にあたっている。

政府は先日、新規陽性が10万人あたり600人を超えた地域には新しい制限を課すと発表した。ブカレストの2日の新規陽性は10万人あたり800人を超えた。

マスクを紛失した極右活動家たちはプラカードを掲げ、角笛を鳴らし、「自由!」と叫びながら行進した。あるプラカードには「コロナワクチン証明=独裁」と書かれていた。現地メディアによると、デモは極右のルーマニア統一同盟(AUR)が組織したという。

政府の新しいコロナ制限は数日以内に発効する予定と伝えられている。対象地域は公共の場でのマスク着用が義務化される。また飲食店の収容率は50%以下に制限され、ワクチン接種を終えた人のみ入店可能になる。

ブカレストのマリウスナスタ呼吸器研究所で働くベアトリス・マーラー博士はAP通信の取材に対し、「抗議者が求める自由より、国民の命と健康を守る制限の方がはるかに重要と信じている」と語った。

地元メディアによると、ブカレストの多くの医療機関が収容しきれない重症患者を廊下の簡易ベッドで治療しているという。マーラー博士は、「医療体制はひっ迫している」と警告した。

一部の抗議者は港湾都市コンスタンツァにある病院で1日に発生した火災を「人災」と呼び、医療当局者はコロナ患者を殺したと非難した。火災は集中治療室で発生し、コロナ患者を含む少なくとも9人の死亡が確認された。

火災の原因はまだ明らかにされていないが、クラウス・ヨハニス大統領は1日の声明で、「政府は市民を保護するという基本的な使命を果たすことができなかった」と謝罪した。

ルーマニアのコロナワクチン接種は低迷しており、接種を終えた人は人口の約28%、少なくとも1回接種した人は30%に届いていない。累計感染者数は124万件、累計死亡者は37,210人。

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