◎日本の陽性者は右肩上がりで上昇しているが、最初の感染拡大地域である沖縄県の件数は減少しつつある。
2022年1月24日/イギリスのロンドン橋(Getty Images/AFP通信)

世界の保健当局はオミクロン株の感染拡大と衰退により、「コロナウイルスはこれまで以上に管理しやすくなる可能性がある」と希望を表明した。

米国の新規陽性はイギリスと南アフリカで見られたパターンと同じように減少しており、多くの専門家が3月末までには落ち着くと予想している。1日あたりの死亡者数は2,000人前後を維持しているが、入院患者は減少しており、死亡者もまもなく減少し始めると予想されている。

米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士は24日に放送されたABCニュースのインタビューの中で、「米国の感染状況はある程度の正常性を取り戻す」と述べ、最良のシナリオを示唆した。

世界保健機関(WHO)も24日の声明で「緊急事態」は今年中に終わると予想し、「オミクロン株は世界に安定と正常への道を提供するように見える」と述べた。

ファウチ博士とWHO欧州地域事務局長のハンス・クルーゲ博士はオミクロン株に代わる新たな変異株が出現する可能性は高いと警告したが、「ワクチン、新薬療法、PCR検査、感染予防対策が当たり前になったおかげで、コロナはインフルエンザのような呼吸器感染症のひとつとして取り扱われることになるだろう」と述べた。

米国の直近1週間の陽性は1日あたり約68万件と非常に高いものの、1週間前の過去最多から10万件以上減少し、今後さらに減少すると予想されている。新規入院患者は1日あたり約20,000人で前週から約7%減少した。

ワシントン大学のチームが主導する研究モデルは、ほぼすべての国が3月中旬までにピークアウトすると予測した。オミクロン株から回復した人は高い免疫を獲得できると期待されている。

ワシントン大学のクリストファー・マレー博士はAP通信の取材に対し、「オミクロン株の感染拡大は世界に最高レベルの免疫を提供するだろう」と述べた。

マレー博士のチームが開発した研究モデルは、世界の人工の57%が少なくとも1回コロナに感染したと推定し、今後の感染状況を予測している。

ホワイトハウスと研究モデルを共有している別のチームは、「オミクロン株で得られた免疫を回避する新たな変異株が誕生しない限り、進行中の爆発的な感染拡大は今年4月までにピークアウトする」と予測した。

ペンシルバニア州立大学のカトリオナ・シェイ博士はホームページの中で、「最悪の事態を想定し準備を進めることが重要」と強調した。

またシェイ博士は、「研究モデルはオミクロン株がピークアウトするまでに、16,000~98,000人の米国民が死亡すると予測している」と述べ、基本的な感染予防対策で身を守ることが重要と補足した。

テキサス大学のローレン・アンセル・マイヤーズ博士はピークアウト予測を擁護したうえで、「集団免疫は多くの痛みを伴う」と述べた。「オミクロン株がコロナ終息のターニングポイントになることを願っています...」

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、世界の累計陽性は3.5億件、死亡者は560万人。日本の陽性者は右肩上がりで上昇しているが、最初の感染拡大地域である沖縄県の件数は減少しつつある。

オミクロン株の重症化リスクはデルタ株より低く見えるが、中等症以上の症状を発症する可能性は決して低くなく、基礎疾患を持っている人、高齢者、そしてワクチン未接種者の入院リスクは高いため、医療機関と保健所に圧力をかけている。また一部地域では多くの医療従事者が感染もしくは濃厚接触者に認定されることで欠勤を余儀なくされ、医療崩壊の危機に瀕している。

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