◎ジャシンダ・アーダーン首相は、2カ月以上封鎖されている最大都市オークランドの住民から封鎖解除の目安を示すよう圧力をかけられていた。
10月22日、ニュージーランド政府はコロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンの解除基準を設定し、積極的にワクチンを接種するよう市民に促した。
ジャシンダ・アーダーン首相は、2カ月以上封鎖されている最大都市オークランドの住民から封鎖解除の目安を示すよう圧力をかけられていた。
アーダーン首相は記者団に対し、「ワクチンを接種できる12歳以上の完全接種率が90%に達した時点でロックダウンを解除する」と述べた。
政府の計画によると、20地区全ての完全接種率が90%を超えた時点でロックダウンを解除するという。ニュージーランドは20の保健地区に分けられている。
アーダーン首相は90%に届かない地区が出た場合の措置については言及しなかったが、地元メディアによると、ある政府高官は「柔軟に対応する」と示唆したという。
しかし、野党国民党のジュディス・コリンズ党首は22日の声明で、「目標達成は困難であり、封鎖は数カ月続く可能性がある」と述べた。国民党は遅くとも12月1日までには全国のロックダウンを解除もしくは緩和するよう求めている。
計画によると、陽性者が出ていない地区は90%の目標を達成すると、ほぼ以前の状態に近い生活を送れるようになるという。ただし、レストラン、カフェ、ジムなどを利用する際には、まもなく発行されるワクチン証明書を提示する必要がある。
ニュージーランドの接種目標は他国よりも高めに設定されているが、アーダーン首相は「オークランドは数週間以内に目標値に到達する」と述べた。
保健当局によると、オークランドで少なくとも1回ワクチンを接種した12歳以上は10月22日時点で約89%、接種を終えた人は約73%に達し、全国平均をわずかに上回っているという。
ニュージーランドの厳格なロックダウンと濃厚接触者の積極的な追跡は世界中で称賛されたが、今年8月のデルタ株上陸で事態は一変した。政府は8月以来厳格な封鎖を続けているが、オークランドの陽性者はゆっくりと増加している。
政府は今月初め、デルタ株を完全に封じ込めることは難しいと認め、ゼロコロナ戦略を見直すと発表した。