◎7月10日のコロナウイルス新規陽性者数は過去最高を大幅に更新する4,377件、死亡者も過去最高の71人を記録した。
2021年7月8日/ミャンマー、マンダレーの薬局、マスクとビタミン剤を求める人々(AP通信)

ミャンマーの保健当局によると、7月10日のコロナウイルス新規陽性者数は過去最高を大幅に更新する4,377件、死亡者も過去最高の71人を記録し、累計感染者数は約19万件、累計死亡者は3,700人を超えた。

2月1日の軍事クーデターで追放された元国家顧問のアウンサンスーチー氏は昨年8月、移動と選挙活動を制限し、最大都市ヤンゴンをロックダウンすることで第二波を抑え込んだ。

スーチー氏は当時、テレビ演説でコロナの危険性と制限の重要性を国民に繰り返し訴えていた。また政府は昨年、インドと中国とワクチン契約を結び、最初の線量は軍事クーデターから1週間も経たないうちに納入された。

2月1日の軍事クーデターは全国的な抗議活動を引き起こし、医療従事者たちは軍の施設で働くことを拒否した。国立病院は何とか運営を続けたが、多くの市民に敬遠された。

軍の要請を拒否した医師や看護師たちは個人単位で診療所を運営したが、治安部隊の厳しい取り締まりに直面し、多くが逮捕された。結果、ワクチンの接種スピードは這うように遅くなり、今回の第三波につながった。

検疫センターの活動を支援する市民活動グループのツェヤ・トゥン代表はAP通信の取材に対し、「ボランティアや医師はスーチー氏には協力したが、今は状況が全く異なる」と述べた。「軍事政権は抗議者の治療にあたった非武装の医者と看護師も撃ち殺しました。彼らに協力する人は少ないでしょう...」

国連のステファン・ドゥジャリック報道官はNYの国連本部で、「ミャンマーの急増を懸念している」と述べた。「国連の医療専門家は、ミャンマーの感染拡大は国民の健康と経済に壊滅的な結果をもたらすと警告しています...」

最大都市ヤンゴンと第二の都市マンダレーの住民は医療用酸素不足に直面している。自宅で療養する祖母のために酸素を購入しに来たという男性はAP通信の取材に対し、「午前5時から正午まで列に並んだが、購入できるか分からない」と述べた。「現金不足より酸素不足の方が深刻です...」

軍のミン・アウン・フライン司令官は9日に開催された会議の中で、工業用酸素を医療用に転用し、企業に酸素プラントをフル稼働させるよう命じた。

命を受けたアウン・ナイン・ウー投資貿易相は10日、「政府は酸素濃縮器(酸素を生成する装置)の輸入に関するすべての義務と要件を廃止する」と発表した。

ミャンマーのワクチン接種は極めて遅く、少なくとも1回接種した人の割合は人口の3~5%と推定されている。

<接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/7月11日時点
アメリカ:3億3,300万回/55%
イギリス:8,000万回/67%
ドイツ:8,100万回/58%
イタリア:5,600万回/58%
フランス:5,900万回/52%
カナダ:4,200万回/69%
日本:5,700万回/29%
ミャンマー:350万回/3~5%(推定)
中国:13億7,000万回/46~51%(推定)
インド:3億6,900万回/22%
イスラエル:1,100万回/66%

世界:33億9,000万回/25%
アジア:21億1,000万回/25%
北米:4億5,200万回/44%
ヨーロッパ:5億5,300万回/44%
EU:4億回/54%
南米:2億500万回/34%
アフリカ大陸:5,500万回/3%

2021年7月8日/ミャンマー、ヤンゴンの繁華街(AP通信)
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