◎政府は7月19日にマスク着用の義務化を含む制限の大半を解除する予定。
ロンドンのサディク・カーン市長は14日、連邦政府のコロナウイルス制限解除後もロンドンの公共交通機関ではマスク着用を求めると述べた。
政府は7月19日にマスク着用の義務化を含む制限の大半を解除する予定。
保健当局のまとめによると、イギリスの14日の新規陽性者数は42,302件まで増加したという。40,000件を超えたのは約半年ぶり。政府の医療専門家は症例はさらに急増すると予想しており、10万件の大台を超える可能性もあると警告している。ただし、死亡者数は4月中頃から50人以下をキープしており、そのうち半分近くが1桁だった。
カーン市長は声明の中で、「公共交通機関の利用者を危険にさらす準備はできておらず、関係機関に地下鉄、バス、路面電車のマスク着用を乗車条件として強制するよう命じた」と述べた。
カーン市長の独自制限により、ロンドンの公共交通機関を利用する際は必ずマスクを着用しなければならず、着用を拒否した人は乗車できない可能性が出てきた。ただし、ロンドン警視庁と英国鉄道警察は、連邦政府がマスク着用制限を解除した時点で取り締まりに関与できなくなる。
イギリスの他の交通機関、医療施設、介護施設、一部の小売店もマスク着用制限もしくは推奨を何かしらの形で維持すると伝えられている。ウォーターストーンズ(書籍小売業者)は店舗でのマスク着用を推奨すると発表した。
ボリス・ジョンソン首相は14日、「自由の日」と呼んだ19日の制限解除後も警戒を続け、各個人で責任ある行動を取るよう促した。
ロンドンの市民はカーン市長の決断に困惑しており、「連邦政府と地方は足並みを揃えるべき」という意見が相次いだ。
しかし、グラント・シャップス運輸長官はこの意見を却下したうえで、「連邦政府は関係機関や企業などの独自制限を期待している」と述べた。「マスク着用は法律からガイドラインに移行しました。個々の事業者は現場の状況に応じて制限を柔軟に変更できるでしょう」
ジョンソン首相は若い世代を除く多くがコロナワクチンを接種した結果、新規陽性者の増加が入院患者および死亡者の増加につながることはほとんどなくなったと考えている。イギリスで少なくとも1回ワクチンを接種した人は人口の約69%、接種を終えた人は52%を超えた。
しかし、多くの専門家が新規症例の増加は医療機関への圧力を強めると懸念を表明している。ワクチンの展開で中等症以上の患者は減ると予想されているが、ゼロになる可能性は極めて低く、新規症例の増加は医療機関を受診する人および入院患者の増加につながる。
イギリスの病床使用率は冬のピーク時に比べると大きく減少したが、最近は増加傾向にある。14日の死亡者数は49人だった。
19日以降、集会に関する規則や社会的距離の制限は全て解除され、ナイトクラブも約1年4カ月ぶりに営業を再開する。また、コンサート、スポーツイベント、劇場、結婚式の人数制限も廃止される。
公衆衛生当局は14日、国民に感染拡大は終わっていないと注意を呼びかけた。