◎スイス当局はラウバーホルンスキー場で毎年1月に開催されるスキーW杯を中止すると発表した。
◎年末年始にスキーを楽しみたいイギリス人観光客がこぞって押し寄せたことで、コロナウイルスおよび変異種の感染が一気に広まった。
AP通信/スイス、ラウバーホルン・スキーワールドカップ

報道によると、スイス当局はラウバーホルンのスキー場で毎年1月に開催されるスキーW杯を中止したという。

当局者は、「地域内でコロナウイルスおよび変異種の感染者が急増しており、対応を決めた」と述べた。

ラウバーホルンコースは世界最長の下り坂を有する世界屈指のスキー場で、W杯はスキーファンを熱狂させスイスおよび地元の観光産業に大きな収益をもたらす重要な大会だった。

ヴェンゲン観光局のロルフ・ヴェグミュラー局長は以前、「W杯がもたらす収益(広告収入など)は絶大。それがなければ、地域の財源をまかなうことはできないだろう」と述べている。

スキー場のあるユングフラウ地方ヴェンゲンのコロナ患者は、12月中旬まで累計10件ほどしか確認されていなかったという。

しかし、年末年始にスキーを楽しみたいイギリス人観光客がこぞって同地に押し寄せたことで件数は増加し始め、従来タイプだけでなく変異種が一気に広まったと伝えられている。

当局によると、確認された症例のうち少なくとも27件が1人のイギリス人観光客に関連しているという。

27人に感染を広めたイギリス人観光客はヴェンゲンのホテルに滞在していた。

AP通信/スイス、ラウバーホルン・スキーワールドカップ

感染拡大の兆候を受け、ヴェンゲンの地元当局はW杯を救うために学校を閉鎖し、競技者以外のスキー場利用を禁止した。

スイスの保健大臣はこの計画に同意したが、今週初めに感染者数が急増したため、W杯の中止が決まった。

地方自治体、地域周辺のホテル、飲食店、小売店、大会関係者、そして地元住民は大会中止の決定に困惑している。

地元メディアは、「スイスはイギリス人観光客を喜んで受け入れてきたが、この関係に亀裂が生じている」と報じた。

イギリス政府の感染拡大防止対策から逃亡したイギリス人観光客がヴェンゲンに変異種を持ち込んだことで町は荒廃し、観光客と2021年W杯は消滅し、ネガティブな感情だけが残った。

一部のスイス人はイギリス人観光客のW杯爆破に怒りの声を上げている。

しかし、一部の市民は、「観光収入を期待し、観光客を受け入れた自分たちの責任」と主要している。

フランスとイタリアは祝祭日期間中のリゾート地の閉鎖を決断したが、スイス政府は対策と経済活動の両立を目指した。

ヴェンゲンはバー、レストランなどをすべて閉鎖し、スキー場のみ容量を3分の2に制限したうえで営業を継続したが、対策は失敗に終わった。

当局者は、「コロナは地域の経済に大きな打撃を与えた。対策の難しさを痛感している」と語った。

ヴェンゲンの保健当局はコロナウイルスおよび変異種を制御するために検査体制を強化したと伝えられている。

スイス政府は感染拡大と変異種の確認を受け、全国に発出している制限を2月末まで延長すると発表した。

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