◎アメリカ大陸の過去1週間の新規陽性は720万件に達し、死者は15,000人を超えた。
2022年1月18日/コスタリカ、首都サン・ホセの通り(Getty Images/AFP通信)

北米を席巻しているコロナ変異ウイルス「オミクロン株」はラテンアメリカに到達し、新規陽性を過去最高水準に押し上げ、医療機関に圧力をかけている。

中南米の一部の国は感染拡大を抑え込むために制限を再導入したが、大半の国はオミクロン株の重症化リスクが低く見えることなどから、再導入をためらっている。

パンアメリカン ヘルスオーガニゼーション(PAHO)は1月21日の声明で、アメリカ大陸の過去1週間の新規陽性は720万件に達し、死者は15,000人を超えたと明らかにした。1月8日の週の新規は約340万件だった。

PAHOは声明の中で、「ボリビア、ブラジル、コロンビア、ペルーでは新規陽性、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイでは入院患者が急増している」と述べた。カリブ海諸国の新規も過去に経験したことのない勢いで増加している。

コスタリカは2月6日に予定されている総選挙に先立ち、コロナ患者に投票を控えるよう促した。

ブラジルの保健当局を率いるカルロス・ルラ氏はAP通信の取材に対し、「パンデミックは3年目に突入した」と語った。「州政府はなぜ対策を再導入しないのですか?ブースター接種を加速させ、マスクを着用し、社会的距離を確保しなさい!」

アルゼンチンとメキシコ政府もワクチン接種が比較的順調に進んだこととオミクロン株の重症化リスクが低く見えることから、制限の再導入を却下した。

コロナに2度感染したメキシコのオブラドール大統領は1週間前に退院したばかりにもかかわらず、オミクロン株を軽視した。「科学者の言う通り、オミクロンはデルタより弱いようです...」

メキシコシティで文房具店を営んでいるアントニオ・ペレス氏はAP通信のインタビューの中で、オブラドール大統領の政策を支持した。「2020年のノーワクチン時代と現在では全く状況が異なります。ワクチンで耐性をつけ、マスクを着用し、距離を取りましょう。できることは限られています」

ブラジルの一部の州は対策を再導入したが、昨年のようなロックダウンには踏み切っていない。しかし、ペルーは夜間外出禁止令を再導入し、エクアドルは私的な集まりおよびあらゆる規模の集会を禁じた。

コスタリカ政府は2月6日の大統領選および議会選と公衆衛生の問題で揺れ動いている。政府はコロナの有無にかかわらず投票権を保障すると誓っているが、議会選挙委員会の議長は先週、「陽性と診断された人は投票を控えるべき」と述べ、混乱を引き起こした。

コスタリカの12月の新規は100件以下だったが、直近1週間の平均は5,000件に迫る勢いである。コスタリカの人口は福岡県とほぼ同じ。

カリブ海のプエルトリコの検査陽性率は12月末の5%から40%以上に急上昇し、政府は制限の再導入を決めた。

しかし、中米パナマとホンジュラスは直近1週間の新規が前週から劇的に増加したにもかかわらず、手を打たずにいる。

ワクチン接種率世界トップクラスのチリでも陽性が急増している。政府は今月、4回目接種を開始した。

ボリビアの首都の医療機関は先週から新規入院患者の受け入れを停止している。ブラジルのサンパウロ州政府は医療機関に緊急以外の手術を1か月停止するよう促した。アルゼンチンの医師連盟は全国の医療従事者の約15%がコロナに感染したと懸念を表明している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク