◎北は宣伝ビラの拡散を恐れている可能性がある。
北朝鮮の国営メディアは1日、韓国国境付近に落ちている「エイリアンのもの」に注意するよう国民に呼びかけた。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は「コロナウイルスはどこから来たのか」という記事を掲載し、韓国のエイリアンが持ち込んだという結論に達した。
同紙によると、国境付近の町で生活する住民がエイリアンのものと思われる「異質なもの」に触れ、コロナに感染したという。
同紙は公衆衛生当局の指示を引用し、「国家非常疫病予防本部は境界線と国境沿い地域の住民に対し、風船によって運ばれるエイリアンのものに警戒し、対処する必要があるという緊急指示を出した」と報じている。
韓国の活動家は北朝鮮を批判するビラや資料を国境付近から風船で北朝鮮に飛ばしていたが、政府は2020年にこれを禁じた。
韓国の一部の専門家は労働新聞の記事について、「北は宣伝ビラの拡散を恐れている」と指摘している。「当局は韓国がコロナを拡散させたという偽情報を流すことで、国境付近に拡散したビラに触れないよう促している可能性があります...」
北朝鮮は1日、4750人以上の「新規発熱」を報告する一方、これまでに発熱した患者の99.827%以上が回復したと主張した。
多くの専門家が北の医療体制、進行中の食料危機、コロナワクチン未展開を考えると、オミクロン株の感染拡大は大量死につながる可能性があると指摘している。
韓国統一省は1日、北朝鮮の主張について、コロナがビラを通じて北に流入した可能性はゼロであると断言した。同省によると、北は4月初めにエイリアンのものを確認したと主張しているが、韓国の活動家が最近ビラを飛ばしたのは4月末であり、タイミングが合わないと説明している。
同省の報道官は記者団に、「韓国の医療当局と世界保健機関(WHO)は、郵便やその他の供給物を通じてコロナに感染したという公式事例がないことや、物体の表面に付着したコロナが感染拡大につながることはないという見解で一致している」と述べた。
一方、ソウルに拠点を置く脱北者グループ「Fighters For North Korea」は、北朝鮮を支援するためにマスク、痛み止め、栄養剤などをまとめた風船20個を6月28日に飛ばしたと報告している。