◎ファイザーワクチンのブースターショットを公式に承認した国はイスラエルが世界初。
イスラエルのナフタリ・ベネット首相は29日、コロナワクチン接種を終えた高齢者にブースターショット(3回目)を提供すると発表した。
ファイザーワクチンのブースターショットを公式に承認した国はイスラエルが世界初。中国とロシアのワクチンを使用している一部の国はブースターショットをすでに行っている。
ベネット首相はテレビ演説の中で、「高齢者に対する3回目のコロナワクチン接種キャンペーンを開始します」と述べた。「ワクチンが安全であることは証明されています。また、ワクチンが被接種者を重症化と死から保護することも明らかになっています。そして、時々更新されるインフルエンザワクチンのように、コロナワクチンも更新されます」
声明によると、5カ月以上前に2回目の接種を終えた60歳以上の市民は誰でもブースターショットを接種できるという。ベネット首相は、「30日にアイザック・ヘルツォーク大統領が最初のブースターショットを受ける」と述べた。
アメリカとEUの規制当局はブースターショットを承認しておらず、3回目の接種が本当に必要かどうか、効果的に機能するかどうかはまだ証明されていない。
しかしベネット首相は、「専門家のアドバイザーチームはブースターショットの開始は理にかなっており、賛成56ー反対1で接種開始を許可した」と述べた。また、投票は「かなりの調査と分析」の後に行われ、調査結果を世界と共有すると約束した。
先日イスラエルが公表した予備研究は、1月に2回目の接種を終えた市民のコロナに対する免疫力が低下していることを示していた。
ベネット首相は予備研究のデータを引用し、「コロナウイルスに対する免疫力は時間の経過と共に低下します」と強調した。「ブースターショットの目的は免疫力を強化し、重症化と死を大幅に減らすことです...」
イスラエルのワクチン展開は世界から称賛されており、人口の約57%、40歳以上の約80%が接種を終えている。
ワクチン展開の成功により、イスラエルは他国に先駆けて経済活動を再開することができた。しかし、デルタ株は接種を終えた人々にも感染し、症例数の急増を引き起こした。ベネット首相はワクチン未接種者、特に接種を躊躇している若者にワクチンを接種するよう促した。
イスラエルは今月初め、コロナに対する免疫力が低下している一部の市民へのブースターショットを開始していた。
一方、ファイザー社は28日の声明で、ワクチンの有効性は2回目の接種から約半年後には低下すると明らかにした。ファイザー社と独ビオンテック社は8月にブースターショットの認可を求める予定。
ファイザー社が28日に公表した研究データによると、臨床試験に参加した44,000人の免疫力は約6か月後にわずかに低下したが、重症化を防ぐ防御機能は全体の約97%がまだ保持していたという。イスラエルの保健省は今月初めの声明で、被接種者の重症化を防ぐ可能性(保護率)は93%と発表していた。
世界保健機関(WHO)は今月初め、ブースターショットが必要かどうかを示す十分な証拠はまだないと述べたうえで、「ワクチンをブースターに使用するのではなく、接種に苦労している貧しい国々と共有しなければならない」と裕福な国に訴えた。
イスラエル政府はガザ地区に追いやった数百万人のパレスチナ人とワクチンをほとんど共有しておらず、国際社会から非難されている。
イスラエルの保健省によると、7月29日の新規陽性者数は2,165件で、そのうち159件がデルタ株だったという。ただし、1日の死亡者は4月中頃から10人以下を維持しており、ここ数週間は多くても2人か3人という日が続いている。