◎政府は声明で、2つの異なる変異種を内包する二重変異体の感染力や重症化リスクなどの検証を進めていると述べた。
2021年3月24日/インド、首都ニューデリーのバスターミナルに設置されたコロナ検査センター(AP通信/Altaf Qadri)

地元メディアによると、インド国内で従来型のコロナとは異なる新しい「二重変異体ウイルス」が発見されたという。

政府は声明で、2つの異なる変異種を内包する二重変異体の感染力や重症化リスクなどの検証を進めていると述べた。

保健当局によると、18の州から集めた10,787個のサンプルを調査した結果、イギリスの変異種の感染者は736件、南アフリカは34件、ブラジルは1件だったという。

インドの感染状況は先月から再び増加に転じ、3月23日の新規陽性者数は47,262件、死亡者は275人まで上昇した。

保健省傘下の国立研究所グループ、SARS-CoV-2ゲノミクスコンソーシアム(INSACOG)は、最新のサンプルのゲノム配列を調査するゲノムシーケンシングを行った。これにより、コロナの遺伝暗号全体がマッピングされ、これまでに確認されたウイルスかどうかをチェックできるという。

調査を行ったウイルス学者のシャヒード・ジャミール博士は報告の中で、「新しいウイルスは、2つの異なる変異を遂げたスパイクたんぱく質(E484QとL452R)を内包していました」と述べた。「これらは感染のリスクを高めるだけでなく、ワクチンの効果を弱める可能性もあるため、さらなる調査が必要です」

政府によると、今回マハラシュトラ州西部で収集したサンプルを昨年12月のサンプルと比較した結果、二重変異体の感染者は増加していることが分かったという。

ジャミール博士は、E484QとL452Rは別の地域で蔓延し、どこかで合体した可能性があると述べた。

一方、保健省の当局者と専門家は、新しい二重変異体と症例の増加を関連付けることは時期尚早と警告したうえで、「具体的にどのような影響が出るかをさらに詳しく調査します」と述べた。

2021年3月24日/インド、首都ニューデリーのバスターミナルに設置されたコロナ検査センター(AP通信/Altaf Qadri)

保健省は症例の増加とイギリスなどで確認された既存の変異種の関連を否定しているが、専門家はこれらの変異種が全土に広がった結果、新規陽性者数と死亡者数の急増につながったと警鐘を鳴らしている。

保健省は声明の中で、「インドではイギリスやブラジルの変異種、今回見つかった新しい二重変異体などが確認されていますが、これらが症例の増加につながったという証拠はありません」と述べた。

専門家によると、コロナの変異は想定の範囲内であり、感染力の高いウイルスを確実に見つけ出し、対処方法を確立することが重要だという。

南アフリカ、ブラジル、イギリスで最初に検出された3つの変異種は最も懸念されるものと見なされ、世界中の科学者が調査を進め、情報を共有している。

今回サンプル調査を行ったインド経済の中心地マハラシュトラ州の医療機関は、新規陽性者数の急増で再び困難に直面している。保健省によると、同州の新規陽性者数は全国の総数の60%以上を占めるという。

ニューデリー国立疾病管理センターのスジート・シン所長はAP通信の取材に対し、「マハラシュトラ州で見つかった二重変異体の感染状況は、地域によってかなり異なるようです」と述べた。シン所長によると、感染の深刻な地域では二重変異体の感染者も増える傾向にあったという。

一方、保健省は春の到来を記念するお祭りやイベントの開催がさらなる感染拡大につながると懸念を示した。政府は州政府に厳しい感染予防対策を課すよう要請しているが、多くの市民はマスクや社会的距離に反対している。

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