◎外務省当局者はロイター通信の取材に対し、「国内の症例数の急増に対処する措置」と述べた。
ロイター通信によると、インドは国内で生産しているアストラゼネカワクチンの輸出を一時的に停止したという。
外務省当局者はロイター通信の取材に対し、「国内の症例数の急増に対処する措置」と述べた。
インドの新規陽性者数は先月から増加に転じ、3月23日は47,000件を超えた。また、イギリス、南アフリカ、ブラジルなどに次ぐ新たな変異種も検出され、当局は警戒を強めている。
インド政府の一時的な輸出停止は4月末頃までワクチンの供給に影響を与える可能性があると予想されている。
世界保健機関(WHO)などが主導するCOVAXはアストラゼネカワクチンに大きな期待を寄せており、専門家はCOVAXの支援を受ける約190ヵ国のワクチン展開に影響を与えると警告した。
世界最大のワクチン製造会社セラム・インスティチュート・オブ・インディア(SSI)は最近、ブラジルやイギリスなどへのアストラゼネカワクチンの出荷を延期すると発表していた。
SSIはこれまでに76ヵ国に6,000万回分以上のワクチンを輸出しており、その大半がアストラゼネカワクチンである。
インド政府は4月1日から45歳以上の市民へのワクチン接種を開始する予定であり、当局はワクチンの需要が増加すると予想している。
ロイター通信は外務省当局者のコメントを引用している。「(輸出の保留は)一時的な措置です。内需を優先しなければならない」
「少なくとも当面の間、他国への輸出は後回しになります。インドの状況が安定するまでアストラゼネカワクチンは輸出しません」
地元メディアは、「政府は5月に新たなコロナワクチンの緊急使用を承認すると期待されており、状況は1カ月ほどで改善する可能性が高い」と報じた。
外務省のウェブサイトによると、アストラゼネカワクチンの輸出は3月25日以降完全に停止する予定だという。政府とSSIはコメントを発表していない。
SSIの広報は先日、「現在の感染状況とインド政府の予防接種プログラムの要件に基づき、内需を優先することが決まりました」とコメントしている。SSIは開発途上国向けのワクチンを今年中に10億回分生産する予定である。
インド政府は以前、ひと月あたり6,000万から7,000万回のワクチン接種を目指していると述べ、アストラゼネカワクチンに大きな期待を寄せていた。なお、政府はアメリカ産のノババックスワクチンの展開も準備しているが、まだ認可されていない。
SSIは以前、設備を増強し3月から月間生産量を1億回分に増やすと述べていた。しかし、地元メディアによると、月間生産量はまだ6,000万から7,000万回分にとどまっているという。生産量の増加が予定より遅れている理由は明らかにされていない。
インド政府は1月16日から予防接種プログロムを開始し、3月24日時点で約5,000万回分のワクチンを市民に接種した。
インド政府は3月以降のワクチン接種目標を7カ月以内に6億回、ひと月あたり約8,500万回としている。
<ワクチン接種数:3月24日時点>
アメリカ 1.2億回
中国 8,300万回
インド 5,000万回
ブラジル 1,500万回
イギリス 3,100万回
EU 6,000万回
日本 70万回
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