◎香港の共産党政府はまもなく開幕する北京2022冬季五輪に先立ち、「ゼロコロナ対策」を強化している。
1月22日、香港の林鄭 月娥(りんてい げつが)行政長官は市内のペットショップでハムスタークラスターが発生して以降、市内の一部で陽性者が急増していると警告した。
当局は市内のペットショップでデルタ株に感染したハムスターが複数確認されてことを受け、市内のハムスターやチンチラを含む約2,000匹の小型哺乳類を殺処分するよう命じた。
ハムスター事件後、ペットショップの店員も陽性診断を受け、当局の管理下に置かれた。
香港の共産党政府はまもなく開幕する北京2022冬季五輪に先立ち、「ゼロコロナ対策」を強化している。
行政長官は声明の中で、「市内の一部地域ではオミクロン株も報告されているため、春節休暇中の移動と集会は控える必要がある」と述べた。
国営の環球時報によると、今年の春節(2月1日)休暇期間中に本土で鉄道を利用する人は約2億8,000万人、北京と上海はそれぞれ900万人に達する見込みだという。また国内線の運航数は60万便、利用者は3,500万人と見積もられている。
ロイター通信は新界南西部の葵涌(きちょう)地区で陽性者が急増していると報告した。葵涌は市内で最も人口の多い地区のひとつで、多くの企業、高層マンション、団地が軒を連ねている。
行政長官は、「ハムスターの事件以降、デルタ株の患者も急増している」と危機感を示したうえで、ハムスターの飼い主に理解を求めた。「私は多くの飼い主が悲しんでいることを理解しています。しかし、政府は国の安全と健康を確保するために行動しなければなりません...」
ハムスター弾圧は深刻な懸念を引き起こし、数千人が殺処分に反対する請願書に署名し、世界のハムスター愛好家もソーシャルメディアで方針の見直しを求めた。当局はハムスター経由でコロナが広がる可能性に懸念を表明している。
カナダのオンタリオ獣医大学によると、現時点で人間にコロナを移したことが確認された動物はミンクだけだという。デンマークでは2020年末に毛皮用のミンク1,700万匹が殺処分された。
犬や猫を含む哺乳類もコロナウイルスに感染する可能性があり、一部の専門家はペットを通じてウイルスが拡大する可能性も否定できないと警告している。ただし、「動物の体内に入ったコロナは人間に感染しやすい」という明確な証拠は見つかっていない。