◎香港のコロナ公式死者数は1万1000人を超えている。その多くが春の感染拡大以降に死亡した。
香港政府は28日、中国本土のゼロコロナ政策見直しに続き、コロナに関する規制をほぼ撤廃すると発表した。
29日から入国時の陰性チェックは不要となる。
ワクチンパスシステムも廃止されるが、公共の場でのマスク着用義務は維持となった。
屋外における集会可能人数は現在の4人から12に拡大される。
ジョン・リー(李家超、John Lee)行政長官は規制緩和の理由のひとつに、ワクチン接種が順調に進んでいることを挙げた。
保健当局によると、人口の93%が2回接種、83%超が3回接種を終えたという。しかし、80歳以上の3回接種率は64%にとどまっている。
香港政府はファイザー社などのmRNAワクチンを採用しており、中国本土に比べると接種は順調に進んでいるようだ。
リー氏は会見の中で、「香港にはコロナ対策に必要な知見・ワクチン・薬があり、医療部門も春のパンデミックで多くの経験を積んだ」と語った。
またリー氏はワクチンパスを廃止する代わりに、高齢者や子供にワクチン接種を促す「より的を絞った対策」を講じると説明した。
香港のコロナ公式死者数は1万1000人を超えている。その多くが春の感染拡大以降に死亡した。
香港政府は本土の動きに合わせてゼロコロナを推進し、西側のワクチンも積極的に取り入れてきた。
しかし、一部の企業経営者はゼロコロナが香港の国際的地位を損ね、経済に大ダメージを与えていると繰り返し批判してきた。
香港の規制緩和は中国本土に続くものであり、多くのアナリストが決定を歓迎した。
中国共産党は外国人入国者の検疫廃止を決定するなど、政策を大幅に見直している。香港政府も1月中旬までに中国本土との往来をコロナ禍以前の状態に戻すと発表している。
中国本土では新規陽性者が急増しており、医療機関と火葬場で大渋滞が発生し、高齢の患者が大量死しているという報告もある。