◎ワクチン未接種者はまもなく、文化施設、飲食店、スポーツ施設などを利用できなくなる。
2021年12月2日/ドイツ、ベルリンの国防省前で行われた式典、アンゲラ・メルケル首相(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2日、全国のコロナウイルス対策を強化し、ワクチン未接種者の行動を制限すると発表した。

メルケル首相は全国の州首相との会談後、記者団に制限の概要を説明した。ドイツ通信社(DPA)によると、新しい制限は16州の既存の規則に追加され、数日中に発効する見通しだという。

ワクチン未接種者はまもなく、文化施設、飲食店、スポーツ施設などを利用できなくなる。

メルケル首相は記者団に、「感染状況は極めて深刻」と述べ、制限を「国家の義務」と呼んだ。

またメルケル首相は、「州政府と連邦政府は全国を対象とするマスク着用義務化、集会を制限する新しい規則、年末までにワクチンを3,000万回追加接種するという目標に同意した」と述べた。

DPAによると、連邦政府は病院とナーシングホームの職員にワクチン接種を義務付ける予定。また連邦政府は、ワクチン接種義務を全国民に拡大するという提案を支持したという。

メルケル首相は記者団に、議会は独立した倫理委員会からの意見を取り入れ、提案を議論すると明らかにした。DPAによると、義務化を可能にする法案は早ければ2月に採決される可能性があるという。

メルケル首相は以前の演説で義務化は効果的な感染予防対策ではないと示唆していたが、それを実行する可能性を除外はしていなかった。

ドイツのワクチン完全接種率は1日時点で人口の約68%。連邦政府は75%以上を目指している。

ロベルト・コッホ研究所によると、2日の新規陽性者数は73,209件、死亡者は388人、直近1週間の陽性者は1日あたり約59,000件まで上昇した。

来週宣誓する予定のオラフ・ショルツ副首相兼財務相もワクチンの義務化を支持しているが、あくまで個人の見解であり、社会民主党の提案ではないと主張している。

ショルツ副首相は2日、「ワクチン接種率がもっと高ければ、私たちは議論していないだろう」と述べた。

新しいコロナ変異ウイルス「オミクロン株」はドイツでも確認されている。一部の科学者と医療専門家は、「抜本的な措置を講じない限り、今後数週間のうちに国の医療システムは厳しい現実に直面する」と警告した。DPAによると、南部と東部のいくつかの医療機関は患者の新規受け入れを停止し、地域内の新たな患者を別の地域に搬送しているという。

ショルツ副首相は2日の記者会見で、ワクチン未接種者に対する行動制限を擁護し、「制限は連邦政府と16州の指導者の合意に基づいている」と強調した。

連邦政府は現在、新年のイベントや行事に欠かせない花火の販売を禁止している。DPAによると、新年の花火イベントで負傷(主に火傷)する市民は数百人にのぼるため、当局はコロナ危機に直面している医療機関を保護するために花火の販売禁止に踏み切ったという。

メルケル首相は記者から「危機的な状況下の退任についてどう思うか?」と質問され、「残念に思う」と答えた。「良い気分と言えないことは確かです...」

ドイツの累計陽性者数は1日時点で約600万件、死亡者10.2万人を超えた。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク