◎ドイツは19日からアストラゼネカワクチンの接種を再開したが、1回目の接種を終えた人は人口の8%ほどにとどまっている。
3月19日、ドイツ政府は国内の感染者数の急激な増加に伴い、三度全国的な封鎖制限を課すかもしれないと警告した。
アンゲラ・メルケル首相は声明で、「州政府は緊急ブレーキ(ロックダウン)の使用を検討しなければならない」と述べた。
フランス、ポーランド、その他の欧州諸国も感染者の急増を受け、ロックダウンを再導入している。
イェンス・シュパーン保健相は記者団に対し、「コロナワクチンの供給量が不足しています」と述べた。EU加盟国に供給されるワクチンは欧州委員会が一括管理している。
「ヨーロッパのワクチン供給量は明らかに足りません。第三波を食い止めるためには、より多くのワクチンが必要です。そして、接種を終えた人も感染予防対策を徹底してください」
一部のEU加盟国はアストラゼネカワクチンで確認された副反応(血栓)を恐れて一時的に接種を停止したため、展開に遅れが生じている。
メルケル首相はアストラゼネカの一時停止を擁護したうえで、「アストラゼネカワクチンの評判が損なわれたとは思いません」と述べた。
「私は自分の順番になれば、迷わずアストラゼネカを接種します」
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、ドイツの累計感染者数は3月19日時点で264万件、累計死亡者は74,000人以上。3月18日の新規陽性者数は28,489件、死亡者は359人だった。
ドイツの新規陽性者数は2月始め頃まで緩やかに減少していたが、下げ止まったのち再び増加に転じた。シュパーン保健相は、「変異種が従来型に置き換わりつつあり、この勢いで増加が続けば、医療機関は困難に直面するでしょう」と述べた。
メルケル首相は声明の中で、「制限緩和後すぐに完全封鎖の再導入を検討することは避けたいと思っていたが、残念なことに感染状況は悪化しており、再導入は避けられないように見える」と述べた。
「ある地域または州の7日間の発生率は10万人あたり100件を超えています。州首相たちは状況が悪化した場合、制限を再導入することに同意しています」
ドイツは19日からアストラゼネカワクチンの接種を再開したが、1回目の接種を終えた人は人口の8%ほどにとどまっている。
ロベルトコッホ研究所(RKI)のラース・シャード博士は、イースター休暇中の旅行と集会を避けるよう呼びかけた。
「感染者数は指数関数的に増加しており、医療機関を圧倒する可能性があります。ワクチンの接種の有無に関わらず、誰もが感染予防対策を徹底しなければなりません」
欧州医薬品庁(EMA)はアストラゼネカワクチンの接種と血栓の関連を調査し、「関連性なし」と評価した。また、世界保健機関(WHO)も同ワクチンの使用を継続するよう繰り返し要請している。
ワクチンの安全性を検証するWHOのグローバル諮問委員会は19日の声明で、「ワクチンは感染を防ぎ、死を減らす」と強調した。
「入手可能なデータで安全性を検証した結果、コロナワクチン投与後の深部静脈血栓症や肺塞栓症などの増加は確認できませんでした」
イタリア、フランス、スペイン、オランダ、そしてドイツは、アストラゼネカワクチンの接種を再開している。しかし、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー政府は、接種の再開を決断するにはもう少し時間がかかると述べた。
イタリアのジャン・カステックス首相とイギリスのボリス・ジョンソン首相は19日に1回目のアストラゼネカワクチンを接種し、市民に安全性をアピールしている。