◎メルケル首相は「制限導入の権限を持つ州政府の指導者」に対し、学校閉鎖の検討を開始するよう呼び掛けた。
◎10月末から部分封鎖を行ってきたが、学校や一部の店舗は営業を続けていた。
ロベルト・コッホ研究所によると、ドイツの最新の24時間あたりの新規感染者数は29,875件、死亡者は598人、どちらも過去最高を大きく更新したという。
ペーター・アルトマイヤー経済相は声明で、「私たちは今すぐ行動しなければならない。以前の部分封鎖以上の措置が必要になる」と警告した。
ジェンス・スパーン保健相も「現状を維持すれば悲惨なクリスマスになる。そうなったら、私たちは自分自身を許せない」と述べ、2回目のロックダウンを示唆した。
ホルスト・ゼーホーファー内務大臣はシュピーゲル誌のインタビューに対し、「即時に封鎖する必要がある」と語った。
10月末、ドイツは感染状況悪化に伴う部分封鎖を開始し、レストラン、バー、レジャー施設などを閉鎖した。しかし、学校や一部の店舗は営業を続けていた。
ドイツの部分封鎖(10月末~)
・学校や幼稚園は対面授業を継続。
・第三者との接触は10人以下、2世帯に制限。
・バーは閉鎖、レストランはテイクアウトのみ可。
・タトゥー店、マッサージパーラー、その他レジャー施設は全て閉鎖。
・美容院と理髪店は厳格な衛生規則と顧客数を制限することで営業可能。
・教会での礼拝、コロナウイルス関連の抗議運動は許可。
・閉鎖で打撃を受けた中小企業への補償措置。
メルケル首相「死亡者500人は容認できない」
今週、アンゲラ・メルケル首相は「制限導入の権限を持つ州政府の指導者」に対し、学校閉鎖の検討を開始するよう声を荒らげた。
アンゲラ・メルケル首相:
「私たちはコロナウイルスと戦う決定的な段階に入っている」
「(1日あたりの)死亡者500人は容認できない」
メルケル首相は13日までに全州首相と会談し、新たな制限について話し合うと伝えられている。
最新の世論調査によると、回答者の約50%がより厳しい制限を求めており、35%が現在の部分封鎖を支持すると答えたという。
一部の地域では部分封鎖に対する抗議活動が発生したが、世論調査で「制限に不満がある」と回答した人は15%未満だった。
いくつかの州はより厳しい制限の導入を決めている。
最も深刻な状況にあるザクセン州は、12月14日から学校を閉鎖すると発表した。また、ほとんどの店舗も1月10日まで閉鎖されるという。
バーデン・ヴュルテンベルク州のヴィンフリート・クレッチュマン州首相は、少なくとも1月10日まで必要不可欠な店舗(食料品店、薬局、ガソリンスタンドなど)以外は閉鎖し、16州全てが足並みをそろえて行動すべきだと主張した。
最も人口の多いノルトライン・ヴェストファーレン州のアルミン・ラシェット州首相も、「個々の州が独自に動くのではなく、ドイツとして動かなければならない」と述べた。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、ドイツの過去14日間の居住者10万人あたりの新規陽性者数はフランス、ベルギー、スペインを上回り、イギリスと同水準まで上昇したという。
ロベルト・コッホ研究所のロタール・ウィーラー所長は声明で、「市民は他者との接触を40%削減したが、コロナウイルスを抑えるためには、少なくとも60%以上削減しなければならない」と述べた。