◎フランス議会は7月26日未明、国内の全てのレストランなどを利用する際のコロナワクチンパスポートの提示と、全ての医療従事者にワクチン接種を義務付ける法案を可決した。
2021年7月24日/フランス、パリで開催されたコロナワクチンとワクチンパスポートに反対する抗議集会(Rafael Yaghobzadeh/AP通信)

フランス議会は7月26日未明、国内の全てのレストランなどを利用する際のコロナワクチンパスポートの提示と、全ての医療従事者にワクチン接種を義務付ける法案を可決した。

コロナパスポートと医療従事者の接種義務化は全国規模の抗議活動と政治的緊張を引き起こした。エマニュエル・マクロン大統領と閣僚は、法律は高齢者や基礎疾患を持つ人々を保護し、新たな封鎖を回避するために必要と主張している。

法律に基づき、医療部門で働く全ての労働者は9月15日までにワクチン接種を終えなければならない。また、全てのレストラン、鉄道、飛行機、その他の公共スペースを利用する際には、「コロナウイルスヘルスパス」の提示が必要になる。提示を求められる人は国内に居住する全ての成人で、9月30日から12歳以上に拡大される。

<コロナウイルスヘルスパスの取得条件>
・ワクチン接種を終えた人。
・最近コロナから回復したことを証明できる人。
・検査で陰性と診断され、検査結果を証明できる人。

マクロン大統領は法案の概要を1週間前に発表した。AFP通信などによると、法案は25日深夜に上院を通過し、その後、国会(下院)審議の中で妥協案が示され、可決されたという。法律の施行期間はコロナウイルスの感染状況に応じて見直される予定で、11月15日まで延長可能。マクロン大統領はコロナウイルスと戦うために国民の団結と集団予防接種を訴え、反ワクチン感情と不安を煽る人々を批判した。

現地メディアによると、7月24日の抗議デモに参加した人は全国で約16万人にのぼったという。抗議者たちはコロナパスポートと医療従事者への「強制接種」を厳しく非難した。

パリの抗議者たちは「自由!」と叫び、政府はまもなく全国民にワクチン接種を強制するだろうと主張した。

一方、仏領ポリネシアの病院を訪れたマクロン大統領は医療従事者に団結を促し、「いくら抗議してもコロナウイルスは消えず、未接種者は命の危険にさらされ続ける」と語った。「私は抗議者の発言する権利を尊重します。しかし、どれだけ政府を非難してもコロナウイルスは消えません。世界で数百万人が死亡したことを忘れないでください」

またマクロン大統領は抗議デモを組織し、政府に対する怒りと不安を扇動する人々を批判した。デモを組織した人の中には、極右政治家や黄色いベスト運動の過激派メンバーなども含まれている。

保健当局のまとめによると、フランスの7月24日の新規陽性者数は22,767件、直近7日間の平均症例は17,510件。ただし、死亡者数は減少傾向が続いており、24日は22人だった。

2021年7月24日/フランス、パリで開催されたコロナワクチンとワクチンパスポートに反対する抗議集会(Rafael Yaghobzadeh/AP通信)
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