◎ファウチ博士「ワクチンを接種していない人が多すぎます。あまりに多い…」
12月19日、ホワイトハウスの最高医療顧問であるアンソニー・ファウチ博士は、コロナ変異ウイルス「オミクロン株」の驚異的な感染拡大に深刻な懸念を表明し、国民にワクチンを接種し、基本的な感染予防対策を徹底するよう懇願した。
ファウチ博士は19日に放送されたNBCのインタビューの中で、「ジョー・バイデン大統領は進行中の感染拡大がもたらす厳しい現実について警告することを計画している」と述べ、米国のワクチン接種率が伸び悩んでいることに懸念を表明した。「ワクチンを接種していない人が多すぎます。あまりに多い...」
疾病予防管理センター(CDC)によると、米国のワクチン完全接種率は人口の約61%にとどまっている。ブースターを接種した人は人口の29%。累計陽性は今月5,000万件を超え、累計死亡者は80万人に達した。
バイデン大統領が発効したワクチン接種に関する複数の規則は民主党と共和党の対立を激化させ、反ワクチン、反マスク、反民主党運動に発展し、バイデン大統領の支持率を押し下げている。多くの米国民が感染再拡大とオミクロン株の流行を懸念し、嘆き、ウンザリし、意気消沈した。
ファウチ博士は、「オミクロン株が並外れた”感染力”を持っていることは疑いの余地がない」と警告した。「オミクロン株は世界で猛威を振るっています。重症化リスクや既存のワクチンに耐性を持っているかどうかなどはまだ分かりませんが、感染力が強いことだけは確かです...」
またファウチ博士は、オミクロン株の急拡大が米国の医療システムに深刻な影響を与える可能性があると述べた。「感染拡大は医療従事者に深刻なストレスを与えるでしょう...」
ファウチ博士は、マスクの着用と社会的距離のルールを含む基本的な感染予防対策を徹底する必要があると国民に呼びかけ、要件を満たしている人は速やかにブースターを接種するよう強く促した。「ワクチンを2回接種した人の多くが保護されています。ブースターを接種した人の免疫はさらに強化されます。そして、未接種者の重症化リスクはとても高く、医療に負担をかけています」
CDCの推定によると、オミクロン株は全米の症例の約3%を占め、その大半がニューヨークで確認されているという。
ファウチ博士は17日のホワイトハウスの記者会見でもワクチン未接種者の重症化リスクが高いことに懸念を表明していた。
一方、カマラ・ハリス副大統領は18日、ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューの中で、「バイデン政権はデルタ株を見ていなかった」と述べ、民主党の不安をあおった。ハリス副大統領は、「私たちが頼りにしているほとんどの科学者はデルタ株を見ていなかった(デルタ株がここまで拡大するとは思っていなかった)」と強調した。
ハリス副大統領の発言は政権のコロナ戦略に疑問を投げかけ、共和党の背中を押した。バイデン大統領の支持率急落は来年の中間選挙に大きな影響を与えると予想されている。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官はハリス副大統領の発言が公になった直後、ツイートを発信した。「バイデン大統領は12月21日に現在の感染拡大と助けを必要としている人々への支援について協議する予定です...」
ファウチ博士はNBCに、「ハリス副大統領の発言は文脈から少し外れている」と述べた。「ホワイトハウスは変異株の上陸に備え、ワクチン接種を推進してきました...」
バイデン大統領は7月4日の独立記念日にコロナウイルスからの独立を高らかに宣言し、米国のワクチン展開が順調に進んでいることを称賛したが、日常を取り戻すことはできなかった。