米アンソニー・ファウチ博士と共和党員が公聴会で激突、コロナの制限緩和をめぐり

◎共和党とアンソニー・ファウチ博士の関係はトランプ政権末期頃から完全に冷め切っており、一部の共和党員はロナルド・レーガン時代からアメリカの医学界を牽引してきた感染症のスペシャリストを何度も嘲笑していた。

4月15日、米下院小委員会の公聴会に出席した国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士は、共和党員の威圧的な質問に憤慨し、激しく食い下がった。

共和党のジム・ジョーダン下院議員はファウチ博士に、「アメリカ人の生活はいつ正常に戻るのか？」と質問し、ファウチ博士は「新規陽性者数を今以上に抑え込み、ワクチンの接種率を引き上げ、感染率をさらに下げるまで正常は戻らない」と答えた。

これに対しジョーダン下院議員は、「抑え込むとは何ですか？具体的な数を示しなさい」と威圧的に姿勢で反発した。「もっと具体的に答えなさい。あなたは本当に自由を取り戻す気があるのですか？」

威圧されたファウチ博士は、「1日あたりの症例数が10,000件をはるかに下回った時だろう」と冷静に答えたが、耳が赤くなっていた。「1日10,000件をはるかに下回った時、1日10,000件をはるかにはるかに下回った時、あなたの主張する制限は徐々に緩和されるでしょう」

共和党とファウチ博士の関係はトランプ政権末期頃から完全に冷め切っており、一部の共和党員はロナルド・レーガン時代からアメリカの医学界を牽引してきた感染症のスペシャリストを何度も嘲笑していた。

ふたりのやり取りに公聴会の空気は凍りつき、ある時点で憤慨したファウチ博士は、「あなたは暴言を吐いた！」とジョーダン下院議員を非難した。「あなたは個人的ではないと言うが、個人的に私を攻撃している」

ジョーダン下院議員は、「個人的な感情で意見を述べているつもりはない」と応戦した。

ファウチ博士は、「いいえ、あなたは個人的に攻撃している！」と鋭く反論した。「あなたは私が嫌いかもしれませんが、公聴会で個人の感情をぶつけるべきではありません」

その後、ファウチ博士は怒りを抑え、「下院公聴会は自由について話し合う場ではない」と述べた。「私たちは56万人以上のアメリカ人を殺したコロナウイルスについて話し合っています。残念ながら、パンデミックはまだ終わっていません」

諭されたジョーダン下院議員はさらに攻撃的になり、質問時間を超えてもしゃべり続けたが、民主党のマキシン・ウォーターズ下院議員に制止され、黙った。「ルールを尊重し、口を閉ざしなさい」

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、アメリカの新陽陽性者数の過去7日間平均は約67,000件で、前週から6％増加したという。4月15日の新規は74,312件だった。

疾病予防管理センター（CDC）のロシェル・ワレンスキー所長は3月の声明で、「ワクチン接種計画は順調に進んでいるが、一部の州の制限が緩和された影響で、症例数は再び増加し始めている」と警告した。

また、ワレンスキー所長はホワイトハウスの定例記者会見でも、「差し迫った破滅について言及しなければならない」と述べ、不用意に制限を緩和すれば危機的な事態を招くと全国の州知事に訴えた。「私たちにはやりたいことがたくさんあります。症例の減少を見た人々は希望を抱くでしょう。しかし、私は不用意な制限の緩和が感染爆発につながることを恐れています...」

アメリカのコロナワクチン接種回数はまもなく2億回に到達するが、完全に接種を終えた成人は総人口の20％程度であり、公衆衛生の専門家たちは不用意に制限を緩和すべきではないと主張している。

＜ワクチン接種回数：4月16日時点＞
1位 アメリカ 1.94億回
2位 中国 1.79億回
3位 インド 1.14億回
4位 イギリス 4,000万回
5位 ブラジル 3,200万回
ｰ位 日本 180万回

ジョーダン下院議員は最後に、「私はいつ終わるのかを聞いているだけだ」と述べた。「私はあなたを攻撃しているわけではない。私は私に投票してくれた支持者のために聞いている。アメリカ人はパンデミックが終わる時期を知りたいと思っている」

ファウチ博士はジョー・バイデン大統領の先日の演説を引用し、「夏までに大多数の成人にワクチンを提供しなければならない」と答えた。「アメリカ人の大多数、アメリカ人の圧倒的大多数がワクチンを接種した時、事態は少しずつ改善すると思います。私たちは、夏の初めから半ば頃までにワクチンを大多数に提供できると予測しています」