11月1日、トランプ大統領はフロリダ州オーパロッカでの集会中にホワイトハウスコロナウイルス対策チームの最高顧問、アンソニー・ファウチ博士を解雇するかもしれないと示唆した。
その後、マスクレス支持者たちはトランプ大統領のリクエストに応え、「ファウチをクビにしろ」と呪文を唱えだした。
ドナルド・トランプ大統領:
「ああ・・・誰にも言わないで、選挙後少し待ってください」
「アドバイスに感謝する」
週末、ファウチ博士はワシントン・ポスト紙のインタビューの中で、「アメリカは非常に多くの傷を負った」と語り、トランプ大統領とホワイトハウスの対応を厳しく批判している。
・ファウチ博士/アメリカには「突然の変化」が必要
ルール違反上等のトランプ大統領は本当にファウチ博士をリストラするのか?
ファウチ博士は公務員(米国立アレルギー・感染症研究所所長)であり、法律によって政治的報復から保護されている。
ファウチ博士を解雇したい場合、トランプ大統領は博士の問題や不正行為などを証明しなければならない。なお、ファウチ博士はこれまでに6人の大統領に仕え、公衆衛生の専門家の間で高く評価されている。
世界を代表する感染症のエキスパートはHIV/AIDSの権威中の権威であり、ロナルド・レーガン大統領から国立アレルギー・感染症研究所所長に任命された。
行政法判事がファウチ博士の不適切行動を認めたとしても、彼は連邦機関のメリットシステム保護委員会(MSPB)に上訴することができる。
ファウチ博士を「効果的に」リストラする道は、大統領にのみ与えられる権限、「大統領命令」だけである。ただし、反抗的なトランプ大統領とは違い真面目に働いてきたファウチ博士をリストラするためだけに署名すれば、政治的混乱を招くことは間違いない。
最近、ファウチ博士を「連邦従業員・オブ・ザ・イヤー」に指名した公共サービスパートナーシップのマックス・スタイアーCEOはABCニュースの取材に対し、次のように述べた。
マックス・スタイアーCEO:
「大統領はファウチ博士を解雇できる」
「しかし、もし署名すれば、政府は国民の利益ではなく、大統領の個人的な意思で行動する生き物になるだろう」
政府監視グループ、プロジェクト・オン・ガバメントの政策アナリスト、ティム・ストレットン氏もスタイアーCEOの意見に同意した。
ティム・ストレットン氏:
「今、署名するのは非常に恣意(しい)的だと思う。しかし、トランプ大統領の発言を聞く限り、やりかねない」
ファウチ博士のコロナウイルスに対する評価は、「アメリカは最終コーナーを美しく曲がった」と主張するトランプ大統領とは対照的である。
ファウチ博士はワシントン・ポスト紙のインタビューの中で次のように述べている。
アンソニー・ファウチ博士:
「秋と冬のシーズンに入ると、人々は間違った場所に配置され、屋内に留まり、あなたは恐らく危険な立場に立たされる」
「アメリカは公衆衛生の慣行と行動に”突然の変化”をもたらす必要がある」
「私はあの男と本当に問題を抱えている」
これに対しホワイトハウスのジャッド・ディアー副報道官は、「受け入れられず、全ての規範を破っている」と非難した。
ジャッド・ディアー副報道官:
「ファウチ博士は対策本部の最高顧問として戦略の変更を推進する義務がある。しかし、彼は代わりにメディアで大統領を批判し、ジョー・バイデンを支持しているとあからさまに主張した」
春、ファウチ博士と保健当局は医療関係者に供給するマスクが不足すると懸念し、国民にマスクの購入を思いとどまらせた。ただし、当時は無症状患者がウイルスを拡散しているという問題はあまり理解されていなかった。
それ以来、ファウチ博士はマスクの着用を耳にタコができるほどしつこく全国民に求めてきた。
今年初め、民間投資会社、カーライル・グループの共同創設者であるデイビット・ルベンシュタイン会長はUSAトゥデイのインタビューで、ファウチ博士を数年前にヘッドハンティングしたと述べた。
デイビット・ルベンシュタイン会長:
「私は彼をどうしても引き入れたかった。しかし、彼はすぐにノーと言った」
先月、トランプ大統領はチームトランプとの電話会議で次のように述べた。
ドナルド・トランプ大統領:
「ファウチがテレビに出ると爆弾が爆発する。しかし、ファウチを解雇するとより大きな爆弾が爆発する」