◎コロナウイルスに感染した医療従事者は無症状か軽度の症状であれば仕事を続けることができる。
米疾病予防管理センター(CDC)の新しいガイドラインによると、コロナウイルスに感染した医療従事者は無症状か軽度の症状であれば仕事を続けることができるという。
昨年末に更新された新しいガイドラインは、コロナ変異ウイルス「オミクロン株」の感染拡大に伴う医療機関の人員不足に対応するものである。
カリフォルニア州の公衆衛生局は先週、「陽性と診断された医療従事者も無症状であれば働き続けることができる」と発表した。
ロードアイランド州とアリゾナ州の一部の医療機関も、無症状もしくは軽度であれば仕事を続けるよう職員に伝えている。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、米国の直近1週間の平均陽性は1月10日時点で70万件を超えた。入院患者の増加率は新規に比べるとはるかに緩やかだが、それでも確実に増加しており、10日時点で11万人を超え、昨年1月のピークに迫る勢いである。
オミクロン株の感染拡大は医療従事者の感染を後押ししており、医療機関にかかる圧力は日を追うごとに高まっている。
CDCのガイドラインは陽性と診断された医療従事者に労働安全衛生研究所の規格をクリアしたN95マスクの着用を求め、コロナ患者の治療にあたるよう推奨している。
これを受け、アリゾナ州フェニックスの主要な医療機関は院内のマネージャーに、「必要に応じて無症状者を職場に戻すことができる」という方針を伝えた。
AP通信の取材に応じたカリフォルニア州のディグニティ・ヘルスの責任者は、「まだ新しいガイドラインを採用していないが、今後数日以内に開始する必要があるかもしれない」と述べた。
カリフォルニア州の公衆衛生局は新しいガイドラインについて、「重大な人員不足を防ぐうえで必要不可欠」と強調した。局は医療機関に可能な限り多くの人員を確保するよう要請してきたが、オミクロン数が全国に拡大した影響で他の州の人員を確保することは難しくなっている。
カリフォルニア州病院協会のスポークスマンは先週、「CDCの新しいガイドラインを採用したくないが、医療機関にかかる圧力は今後数日でさらに増加すると見込まれており、人員の確保が喫緊の課題である」と述べ、公衆衛生局の決定を擁護した。
一方、約10万人の会員を抱えるカリフォルニア州看護師協会は新しいガイドラインに反対し、「陽性者の職場復帰はさらなる感染拡大を招く」と懸念を表明した。
ロードアイランド州の州立精神病院とリハビリテーション施設の職員は、今月初めから陽性と診断されても無症状であれば働くことができるようになった。
フロリダ州のジャクソン記念病院は10日、AP通信の取材に対し、「当院の体制はまだ限界点に達しておらず、陽性と診断された職員に5日間の自宅待機を命じている」と述べた。
ジャクソン記念病院のスポークスマンはAPに、「陽性と診断された職員を職場に呼び戻したい気持ちは大いに理解できる」と述べたが、コロナ患者以外の入院患者のことを考えると、ガイドラインを採用したいとは到底思えないと強調した。「オミクロン株の重症化リスクはデルタ株に比べると低く見えますが、基礎疾患を持っている入院患者や高齢者は命の危険にさらされるかもしれません...」