◎ワクチンの効果を疑問視する人、フェイクニュース、プロパガンダ…米国はコロナを政治化し、失敗しました。
2月4日、米国内におけるコロナウイルスの累計死亡者数は90万人を超え、わずか2カ月足らずで10万人が死亡したことになった。
展開中のコロナワクチンはオミクロン株やデルタ株の重症化リスクを下げると期待されているが、米国のワクチン接種率は半年近く伸び悩んでおり、陽性者の急増に伴い死亡者も増加した。
ブラウン大学公衆衛生学部の学部長であるアシシ・K・ジャ博士はソーシャルメディアに、「2年前のパンデミックが始まった時、米国内だけで90万人が死亡すると予想できた人は誰もおらず、予想したとしても誰も信じなかっただろう」と投稿した。
またK・ジャ博士は、「米国は医学を正しく理解したが、社会科学の分野では失敗した」と述べ、米国を悩ませている政治問題と分断が死者の増加に拍車をかけたと指摘した。「ワクチンの効果を疑問視する人、フェイクニュース、プロパガンダ...米国はコロナを政治化し、失敗しました」
ジョー・バイデン大統領は4日午後の声明でこの節目を嘆き、国民にワクチンを接種するよう強く促した。「これまでに2億5,000万人の米国民が少なくとも1回ワクチンを接種し、自分と家族、地域社会を守るために行動を起こし、その結果、100万人以上が救われました...」
疾病予防管理センター(CDC)によると、国内のワクチン完全接種率は2月4日時点で人口の約64%にとどまっている。ブースター接種率は人口の約42%。
K・ジャ博士は累計死亡者は4月までに100万人を突破する可能性があると懸念を表明したうえで、「ワクチン接種を終えたとしても、感染がある程度収束するまでは基本的な感染予防対策を徹底する必要がある」と強調した。
オミクロン株の世界の感染者数はゆっくり減少しつつあるものの、デルタ株とは比べ物にならない勢いで新規陽性が急増した結果、病床はひっ迫し、重症化リスクが低いにもかかわらず、死者の数を押し上げた。
米国の1日あたりの新規陽性は1月中旬の80万件でピークに達し、2月3日時点で35万件まで減少した。ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、この2週間で全米の49州の新規陽性が減少し、唯一増加傾向にあったメイン州も減少に転じたという。
全米の入院患者数は1月中旬から約15%減少し、2月3日時点で約124,000人となった。
1日の死亡者は平均2,500人以上で、昨年の冬以来最も多くなっている。
それでも、世界保健機関(WHO)を含む公衆衛生当局はオミクロン株の最悪期は終わりつつあると希望を表明している。WHOの欧州事務局は先日、「事態はまだ再び悪化する可能性がある」と懸念を表明したが、欧州の一部で始まっている制限の撤廃に一定の理解を示した。
ロサンゼルス郡の公衆衛生当局は3日、数週間以内に屋外でのマスク着用義務を終了するかもしれないと明らかにした。
最新の10万人の死者にはデルタ株とオミクロン株の両方が含まれている。米国内で最初にオミクロン株の陽性者が確認されたのは昨年12月1日で、年が明ける頃には優勢株になっていた。
オミクロン株はデルタ株より重症化しにくいことが分かっているが、陽性者数が爆発的に増加することで医療機関に圧力がかかり、死亡者を押し上げている。
<米国のコロナウイルス推移>
・2020年1月20日:最初の陽性者(ワシントン州)
・2020年2月6日:最初の犠牲者(カリフォルニア州)
・2020年5月27日:累計死亡者 10万人
・2020年8月8日:累計陽性 500万件
・2020年9月22日:累計死亡者 20万人
・2020年10月2日:ドナルド・トランプ大統領コロナに感染
・2020年11月9日:累計陽性 1,000万件
・2020年12月8日:累計陽性 1,500万件
・2020年12月14日:累計死亡者 30万人
・2021年1月1日:累計陽性 2,000万件
・2021年1月19日:累計死亡者 40万人
・2021年1月20日:ジョー・バイデン大統領就任
・2021年1月22日:累計陽性 2,500万件
・2021年2月2日:累計死亡者 50万人
・2021年3月24日:累計陽性 3,000万件
・2021年6月15日:累計死亡者 60万人
・2021年8月1日:累計陽性 3,500万件
・2021年9月7日:累計陽性 4,000万件
・2021年10月1日:累計死亡者 70万人
・2021年12月1日:最初のオミクロン株検出
・2021年12月13日:累計陽性 5,000万件
・2021年12月14日:累計死亡者 80万人
・2022年1月9日:累計陽性 6,000万件
・2022年1月21日:累計陽性 7,000万件
・2022年2月4日:累計死亡者 90万人