◎東エリアの封鎖期間は3月28日~4月1日、西エリアは4月1日~5日の予定。
2022年3月28日/中国、上海市の東部エリア、日用品を運ぶ当局者(Wang Yanting/Xinhua/AP通信)

アジアの金融ハブである上海市の市民は29日、コロナウイルスの感染拡大に伴う史上最大のロックダウンに困惑し、各地で買いだめや混乱が相次いだ。

当局は2段階に分けて市を封鎖し一斉PCR検査を実施する。東エリアの封鎖期間は3月28日~4月1日、西エリアは4月1日~5日の予定。

主要メディアによると、金融街である東部の浦東地区と周辺地域の一斉検査は順調に進んでいるように見えるという。

西部の広大な住宅地で生活する住民は準備に追われている。

期間中、住民は自宅待機を命じられ、宅配便は検問所に届く。必要不可欠でない企業はすべて閉鎖され、公共交通機関も止まる。

市内の一部地域は今回の封鎖が始まる前から封鎖されていた。上海ディズニーランドも先に閉鎖された企業のひとつである。国営メディアは、自動車メーカーのテスラ社もすでに上海工場の生産を停止していると報じた。

27日にはパニック買いが報告され、スーパーマーケットの棚から食品、飲料、日用品が消えた。28日になると、スーパーマーケット周辺には防護壁が設置され、防護服を着た作業員が配置された。

4月5日の清明節(お墓参り)関連のイベントも中止が決まった。

市内の株式市場のトレーダーなどは封鎖期間中も働く準備を進めている。

金融業界で働く男性はAP通信の取材に対し、「数日分の食料と日用品を買い込み、自宅で仕事をするつもりです」と語った。「会社はオンラインで仕事を行う準備に追われています...」

男性は、「オンラインに対応できない企業は大きな影響を受けるだろう」と指摘した。

地元の大学に勤める女性はロックダウンを経験した親戚の助言に基づき、日用品を買いだめしたと語った。「大学はオンラインで授業を継続できますが、製造業や飲食サービス、その他の業種は大変ですよね...」

保健当局によると、市内の新規陽性は4,000件前後で推移し、その多くが無症状だという。

本土および香港市内で陽性と診断された重症患者は医療機関、軽症と無症状患者は専用の隔離施設に収容され、自宅療養は認められていない。当局は今月中頃に規則を一部緩和し、医療機関に入院する患者は原則重症患者のみになった。

最後の死亡報告は3月20日の2人で、共に吉林省の住民だった。

吉林省当局は現在、自動車産業の中心地のひとつである長春市を含むいくつかの都市を封鎖している。同省によると、ここ数日の新規陽性は1,000件前後。同省の予防対策は上海市より緩い。

吉林省は軽症、無症状、陽性と疑われる患者を収容するプレハブ仮設病棟を建設中である。

上海市から1時間ほどの蘇州市、中部の長沙市、北東部の瀋陽市も6,000人以上を収容できる仮設病棟を大急ぎで建設している。

上海市では体育館や展示場などを改造し、重症患者以外を収容している。

習近平 国家主席を含む政府関係者はより的を絞った対策を奨励する一方、地方当局者は「罰せられたくない」という理由で厳しい対策を採用する傾向が見られる。

国営放送CCTVは28日、湖南省当局がコロナ対策を強化しなかったという理由で職員19人を処分したと報じた。

中国の経済成長は鈍化しており、今回のような極端な措置は雇用、消費、世界のサプライチェーンに打撃を与えると懸念されている。

国際航空運送協会(IATA)は先週、中国が入国制限を継続していることを理由に、年次総会の会場を上海からドーハに移すと発表した。

IATAのウォルシュ事務局長はプレスリリースの中で、「上海で会議を行えないことは非常に残念である」と述べた。

2022年3月28日/中国、上海市の東部エリア(Chinatopix/AP通信)
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