◎南アは2021年末にオミクロン株を世界で初めて検出した。
南アフリカの医療専門家は9日、米国で急速に拡大しているコロナウイルスのオミクロン株「XBB.1.5」について、新たな感染の波を引き起こすとは考えておらず、基本的な感染予防対策とワクチン接種を進めることが重要と指摘した。
政府のコロナ諮問委員会を率いるオリベイラ(Tulio de Oliveira)博士はツイッターに声明を投稿。「南ア国民の免疫力はワクチン接種などのおかげで高く、初期のオミクロン株による感染爆発のような事態には発展しないと考えている」と述べた。
オリベイラ氏はベータ株とオミクロン株を最初に検出したウイルス専門家である。
南アは2021年末にオミクロン株を世界で初めて検出した。保健当局のまとめによると、同国の累計感染者数は約405万人、累計死者数は10万人を超えた。
ワクチン接種は他のアフリカ諸国に比べると順調に進んでいるが、それでも2回接種を終えた人は対象者の48%にとどまっている。
世界保健機関(WHO)は今週、XBB.1.5について、「これまでに検出されたオミクロン株の中で最も感染力が強い」と警告した。
オリベイラ氏によると、南アでは12月下旬に採取したサンプルから初めてXBB.1.5を検出したという。しかし、現時点で新規・入院患者・死者数に大きな変化は見られないようだ。
XBB.1.5は約30カ国で検出され、WHOによると、欧州と米国で置き換わりが進みつつある。
その特徴はまだ正確にはわかっていないものの、WHOは流通しているワクチンのブースター接種で抗体ができると予想している。