◎世界の累計死亡者は先日600万人を超えた。
コロナウイルスの過剰死亡者数を研究している専門家チームは10日、コロナの世界累計死亡者は公式記録の3倍に達している可能性があるという研究結果を医学雑誌ランセットで公表した。
世界の累計死亡者は先日600万人を超えた。
米ワシントン大学のチームは191の国と地域でコロナに感染し死亡した人やコロナに感染したことで基礎疾患が悪化し死亡した人などを調査し、2020年から2021年末の死亡者数と超過死亡率を算出した。
超過死亡率は特定の集団の死亡率が一時的に増加し、本来想定される死亡率を超過した割合のことで、この現象はパンデミック、飢饉、戦争などによって引き起こされる。
また研究者たちは、さまざまな政府・機関のウェブサイト(World Mortality Database、Human Mortality Database、European Statistical Officeなど)のデータも活用した。
超過死亡の割合は国や地域によって大きく異なると推定されるが、この研究で算出された世界全体の割合は人口10万人あたり120人だった。
これは2020年から2021年末の間に約1,820万人がコロナが原因で死亡したことを意味する。同期間中の公式発表は590万人だった。
研究によると、超過死亡率が最も高かった地域は南米、欧州、サハラ以南のアフリカの低所得国。ただし、イタリアや米国を含む先進国の死亡率も高かった。
超過死亡率が高かった5カ国は以下の通り。
▽ボリビア
▽ブルガリア
▽エスワティニ
▽北マケドニア
▽レソト
低かった5カ国は以下の通り。
▽アイスランド
▽オーストラリア
▽シンガポール
▽ニュージーランド
▽台湾
執筆者のひとりであるウォン博士は、「パンデミックにおける真の死亡者数を理解することは効果的な公衆衛生対策と意思決定に必要不可欠である」と述べている。「スウェーデンやオランダを含むいくつかの国の研究では、ほとんどの超過死亡の直接の原因はコロナであることが示唆されています...」
「コロナで直接的または間接的に死亡した人の数を明らかにするためには、さらなる調査と研究が必要です」
研究者たちはワクチン、飲み薬、新たな治療法のおかげで超過死亡率は減少すると予測する一方、パンデミックはまだ終わっていないと警告している。ウォン博士は、デルタ株やオミクロン株のような危険な変異株が出現しないという保証はないと述べた。