◎直近1週間のコロナウイルス新規陽性は1日あたり16万件を超え、過去最多を更新した。
1月27日、ブラジルの保健当局によると、直近1週間のコロナウイルス新規陽性は1日あたり16万件を超え、過去最多を更新したという。
死亡者もゆっくり増加しているものの、新規陽性ほどの勢いはなく、直近1週間の平均は370人。
リオデジャネイロ州マリカーの医療機関で働く医師はAP通信のインタビューの中で、「新規入院患者はワクチン未接種者または、3回目接種を終えていない人で占められている」と疲れた様子で語った。「看護師はひどく疲弊しています...」
リオのワクチン接種率は全国の中で最も高く、成人の約98%が2回目接種を終えている。全国の完全接種率は26日時点で約70%、ブースターショット数は約4,000万回。
2020年から2021年のパンデミックで深刻な被害を受けたアマゾナス州の先週の陽性数も過去最多を更新した。ただし、死亡者数は1年前のピーク時に比べるとはるかに低い。
マルセロ・ケイロガ保健相は先週、ブースターショットの展開を加速させるためにアマゾナス州マナウスで演説を行い、「全国の医療機関は昨年のピーク時を上回る圧力に直面している」と国民に呼びかけた。
またケイロガ保健相は記者団に対し、「ブースターの展開が遅れている地域の入院患者は明らかに多い」と強調し、子供のワクチン接種を加速させる必要があると述べた。
しかし、国を率いるジャイール・ボルソナロ大統領はソーシャルメディアで子供のワクチン接種に反対している。主要国は12歳以下へのワクチン接種を加速させているが、一部の専門家も重症化リスクの低い子供へのワクチン接種に疑問を呈している。
保健省は1月6日に公表した予防接種計画に5歳~11歳の子供を含めたものの、1月20日に公表した別の計画書に「既存のワクチンがコロナの”治療”に効果的かどうかは実証されていない」と記載し、物議を醸した。同省は医療専門家の抗議を受け、計画書の一部を差し替えている。
オミクロン株の重症化リスクはデルタ株やその他の変異株に比べると低く見えるが、リオの指導者はオミクロン株の感染拡大を受け、リオのカーニバルを2月から4月に延期した。
リオの保健当局によると、26日時点でコロナ病床に入院している患者の88%がワクチン未接種またはブースターを接種していなかったという。
ブラジル感染症専門家協会のアルベルト・チェバボ副会長はAP通信の取材に対し、「全国の医療機関は経験したことのない患者の波に直面している」と語った。「ワクチンの展開が進んだおかげで、重症患者は昨年のピークに比べると明らかに少ないです。しかし、病床使用率が劇的に上昇した結果、外来、他の患者の受け入れ、手術に対応できない医療機関が続出しています...」