◎今年の春節期間中に鉄道を利用する人は約2億8,000万人、北京と上海はそれぞれ900万人に達する見込み。
1月17日、中国の首都北京で初めてコロナ変異ウイルス「オミクロン株」に感染した26歳の女性がソーシャルメディアで全国的な注目を集めた。
国営の環球時報によると、女性はオミクロン株の症状が出る前に、市内のデパートなどを訪れたという。感染経路は明らかにされておらず、女性の現状は公表されていない。
女性の感染は中国版ツイッターのWeiboで広く議論され、「市内のデパートを利用した」「春節の予定を見直す」などといった投稿が相次いで寄せられた。
北京の当局者は1月15日の会見で、「女性は北京市 海淀区の住民で、過去2週間他の地域には移動していない」と強調した。
共産党は開幕まで3週間を切った北京2022冬季五輪に向け全国の感染予防対策を強化しており、特に北京の体制は厳しいと伝えられている。
17日の時点で女性が訪れたデパートや施設に関連する13,000人以上が検査を受け、女性の職場とアパートは封鎖された。
環球時報によると17日に北京で新規陽性は確認されなかったが、近くの天津市では80件の陽性が報告されたという。
環球時報は17日のニュース速報で、「北京当局は春節の帰省ラッシュに先立ち、首都の制限強化を検討している」と報じた。北京と天津を結ぶ道路と公共交通機関はすでに遮断されており、北京行きの航空路線(国際線含む)も大幅に削減された。
また報道によると、北京行きの国内線を利用した人は当局の監視下に置かれ、目的地以外への移動を厳しく制限されるという。
北京2022は春節のお祝い開始から3日後の2月4日に開幕する。外国のアスリート、関係者、スタッフ、ジャーナリストは専用の隔離施設に収容され、毎日PCR検査を受ける必要がある。
北京当局は春節に先立ち、市外から到着した旅行者に到着後72時間以内にPCR検査を受けるよう義務付けている。また一部の学校は冬休み(春節休暇)の開始を前倒しし、その他もオンライン授業に移行した。
共産党指導部は国民に帰省の自粛を呼びかけ、期間中、数百万人が訪れるとされる万里の長城を含む主要な観光地を閉鎖した。しかし、北京の駅には大きなカバンを持った市民が押し寄せ、混雑したと伝えられている。
環球時報によると、今年の春節期間中に鉄道を利用する人は約2億8,000万人、北京と上海はそれぞれ900万人に達する見込みだという。また国内線の運航数は60万便、利用者は3,500万人と見積もられている。
期間中に国内を移動する人は11億8,000万人と予想されており、前年から35%以上増加する見込み。ただし、環球時報によると、新規陽性が報告された地域は直ちに封鎖されるため、移動は控えた方がよいという。
共産党は都市封鎖の期間を明らかにしていないが、地域の全住民を何度か検査し、陽性者が数日から数週間報告されなければ制限を緩和する方針である。
3週間前に封鎖された人口約1,300万人の西安市は17日、数日間陽性者が確認されなかったことを受け、外出禁止令を解除した。ただし、市外への移動は制限されている。