◎世界のコロナウイルスの症例数と死亡者数は9週間連続で減少していたが、先週再び増加に転じた。
2021年7月14日/インドネシア、西ジャワ州ボゴールの墓地(Achmad Ibrahim/AP通信)

世界保健機関(WHO)は14日、世界のコロナウイルスの症例数と死亡者数は9週間連続で減少していたが、先週再び増加に転じたと発表した。先週の死亡者数は55,000人以上、先々週から3%増加した。

また新規陽性者数は約10%増加して300万件近くに達し、ブラジル、インド、インドネシア、イギリスが特に多かったという。

多くの専門家が世界の感染状況に懸念を表明しており、以下の3点を感染再拡大の主要因に挙げている。
・一部地域の制限緩和。
・ワクチン接種の低迷。
・デルタ株の蔓延。

ジョンズ・ホプキンス大学の感染症専門医であるデビッド・ダウディ博士は現在の感染状況について、「世界はいつ感染爆発が発生してもおかしくないと認識しなければならない」と警告した。

感染爆発に直面しているアルゼンチンの累計死亡者数はまもなく10万人に到達する。

ロシアの直近1週間の新規症例は過去最高を更新した。

ベルギーでは若者の間でデルタ株が蔓延し、新規症例はこの1週間でほぼ2倍になった。

イギリスの新規症例は半年ぶりに40,000件を超えた。ただし、死亡者数は今年1月のピーク時(約1,700人)に比べるとはるかに少なく、50人以下を維持している。

軍事政権下のミャンマーの死亡者は初めて100人を超えた。現地メディアによると、火葬場は24時間フル稼働しているという。

インドネシアの14日の新規症例は54,000件以上、死亡者は約1,000人に達し、どちらも過去最高記録を更新した。首都ジャカルタ近郊の墓地は遺体の埋葬に苦労している。

累計症例と死亡者数1位のアメリカの新規症例は過去2週間で約2倍に増加した。ただし、死亡者数は減少傾向が続いている。

東京2020五輪の準備を進める東京都の新規症例は2か月ぶりに1,000件を超えた。医療専門家は大会期間中のさらなる感染拡大に懸念を表明している。

オーストラリアの最大都市シドニーで生活する住民約500万人は、少なくとも7月末まで封鎖下に置かれることが決まった。

韓国の新規症例もデルタ株の影響で過去最高を更新し、政府はソウル地域に最も厳しい制限を課した。

カタルーニャ自治州バルセロナを含むスペインの一部地域は夜間外出禁止令下に置かれた。

ロンドンのサディク・カーン市長は14日、国内のコロナ制限が解除された後も、市内のバスや電車を使用する際にはマスク着用を求めると明らかにした。

イタリア政府は海外旅行を計画している人々に、帰国後の検疫を義務付ける可能性があると警告した。期間は不明。

ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、現在の世界の1日あたりの死亡者数は1月のピーク時(18,000人以上)の半分以下に減少し、新規症例もピーク時(約45万件)の半分に減少したという。

WHOは感染拡大が続いているにもかかわらず多くの国で制限が解除されていることに懸念を表明し、「対応を誤ればデルタ株を含む変異種はさらに広がり、新規症例と死亡者数は冬のピークを上回る可能性がある」と警告した。

世界で少なくとも1回ワクチンを接種した人は人口の約26%、スタートで出遅れた日本の接種率はようやく30%を超えた。なお、貧しい国々の接種は思うように進んでおらず、人口約12億人のアフリカ大陸の総接種数は5,700万回にとどまっている。

<接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/7月15日時点
アメリカ:3億3,500万回/55%
イギリス:8,100万回/68%
ドイツ:8,300万回/58%
イタリア:5,900万回/60%
フランス:6,100万回/53%
カナダ:4,300万回/70%
日本:6,400万回/31%
インドネシア:5,100万回/13%
中国:14億回/46~51%(推定)
インド:3億8,800万回/23%
イスラエル:1,100万回/66%

世界:35億1,000万回/26%
アジア:21億9,000万回/26%
北米:4億5,800万回/44%
ヨーロッパ:5億7,000万回/45%
EU:4億1,300万回/55%
南米:2億1,600万回/36%
アフリカ大陸:5,700万回/3%

2021年7月14日/イギリス、ロンドンのウォータールー駅(Getty Images/AFP通信)
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