◎人気観光地のプーケット島は先週、ワクチン接種済みの外国人観光客に対する検疫免除を開始した。
タイ保健当局のまとめによると、7月8日の新規陽性者数は過去最高の7,058件、死亡者も過去最高を更新する75人を記録したという。
タイ政府は先月、120日以内に経済活動をコロナ前の軌道に乗せるという目標を設定し、外国人観光客の受け入れを再開すると発表したが、専門家はこの決定を疑問視している。
タイは昨年、コロナウイルスとの戦いに勝利した国のひとつと見なされ、新規陽性者数は多くても数十人、死亡者は約半年間ゼロだった。
しかし、政府はインドで最初に確認されたデルタ株の感染拡大に伴い、計画の見直しを迫られる可能性がある。
地元メディアによると、症例の記録的な増加は医療機関に圧力をかけており、重症者用の病床が足りないという報告が各地から寄せられているという。
政府は今週、空港のターミナルを集中治療室(ICU)付きの野戦病衣に改造すると発表した。この野戦病院の病床数は約5,000と伝えられている。
タイの観光地はアジアを代表する観光スポットのひとつだったが、コロナウイルスの大流行で観光客は激減し、ホスピタリティ産業の労働者は大きな打撃を受けた。
プラユット・チャンオチャ首相は先月、120日以内に経済活動をコロナ前の軌道に乗せ、全ての事業を通常の状態に戻し、ワクチン接種済みの観光客を受け入れると述べた。
チャンオチャ首相は声明の中で、「世界がコロナから解放される日を待つことはできない」と述べ、コロナを受け入れつつ観光客を受け入れ、経済活動を再開させる必要があると強調した。
人気観光地のプーケット島は先週、ワクチン接種済みの外国人観光客に対する検疫免除を開始した。現地メディアによると、検疫解除以来、約2,400人の観光客が現地入りし、7月7日に最初の陽性者(UAEから入国した男性)を確認したという。
ただし、感染者はプーケット島などの観光地ではなく、都市部に集中している。現在の最大の震源地は首都バンコクとその周辺地域。
専門家は、感染拡大を阻止する唯一の方法は封鎖と主張している。ただし、バンコクの飲食店や建設現場は厳しい制限下に置かれているが、これまでのところ都市封鎖は行われていない。
国立遺伝子工学・バイオテクノロジーセンターのディレクター、アナン・ジョンケウワタナ博士はブルームバーグの取材に対し、「厳格な封鎖が感染拡大を抑える唯一の方法」と語った。「この状況が続くと、タイはインドネシアよりもひどい状況に陥る可能性があります...」
しかし、一部の飲食店や企業は、これ以上の封鎖には耐えられないと主張している。
あるレストランのオーナーは英BBCニュースのインタビューの中で、「どうすればいいのか分からない」と語った。「封鎖は店の閉鎖を意味します。私はスタッフを解雇したくありません...」
タイ政府はアストラゼネカワクチンの接種を進めているが、1カ月当たりの接種目標1,000万回はまだ達成できていない。保健当局は先週、1カ月当たりの接種数は500万~600万回にとどまると述べ、謝罪した。
これまでに少なくとも1回接種した人は人口の約12%、接種を完全に終えた人は約4.3%。
<接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/7月9日時点>
アメリカ:3億3,200万回/55%
イギリス:8,000万回/67%
ドイツ:8,000万回/57%
イタリア:5,500万回/57%
フランス:5,700万回/51%
カナダ:4,000万回/69%
日本:5,300万回/26%
タイ:1,200万回/12%
中国:13億4,000万回/46~51%(推定)
インド:3億5,800万回/21%
イスラエル:1,100万回/66%
世界:33億2,000万回/25%
アジア:20億7,000万回/25%
北米:4億4,700万回/44%
ヨーロッパ:5億4,100万回/43%
EU:3億9,000万回/52%
南米:2億回/33%
アフリカ大陸:5,400万回/3%