◎保健当局によると、11月8日の新規陽性者数は39,400件、死亡者は1,190人、直近1週間の陽性者は1日あたり約39,000件、死亡者は約1,150人。
11月8日、ロシアの主要都市で生活する住民は、コロナウイルスの感染拡大を抑えるために義務付けられた休暇を終え、仕事に戻った。
しかし、保健当局によると、休暇期間中も陽性者と死亡者は高い状態を維持し、感染が収まる兆しは見えないという。
ドミトリー・ペスコフ報道官は8日の記者会見で、「一斉休暇の効果を判断するのは時期尚早」と述べた。
ウラジーミル・プーチン大統領は先月末、国民に10月30日~11月7日まで仕事を休むよう命じ、感染状況の深刻な地域は早めに休暇を開始し、必要に応じて期間を延長するよう地方政府に促していた。一部の地方自治体は休暇の期間を延長している。
保健当局によると、8日の新規陽性者数は39,400件、死亡者は1,190人、直近1週間の陽性者は1日あたり約39,000件、死亡者は約1,150人で、休暇前から悪化した。ロシアの死亡者数は欧州の中で群を抜いている。
保健当局は8日の声明で、「10月下旬以降の陽性者は1日あたり約40,000件、死亡者は1,100人を超えている」と述べ、国民にワクチンを接種するよう促した。
モスクワを含む主要都市の休暇は終了したが、制限は維持される。公共施設、レストラン、映画館などを利用できる人はワクチン接種完了者、6カ月以内にコロナから回復したと証明できる人、72時間以内のPCR検査で陰性と診断された人に限られている。
ロシアの感染拡大の主な要因はワクチン展開の失敗と緩い感染予防対策と考えられている。
ロシアはワクチン接種率は、自国産ワクチン「スプートニクV」の展開を世界で最初に始めたにもかかわらず伸び悩み、完全接種率は11月8日時点で人口の34%に届いていない。少なくとも1回接種した人は約40%。
中東欧諸国のワクチン接種率は西欧より低く、ウクライナ、ルーマニア、ラトビアの感染状況も深刻。
ロシアの累計感染者は880万件以上、累計死亡者はまもなく25万人を超える。一部の専門家によると、ロシアの累計死亡者数は過小報告されている可能性が高く、国内の過剰死亡者数を集計している団体によると、9月末までに約46.2万人が死亡したという。
超過死亡率は特定の集団の死亡率が一時的に増加し、本来想定される死亡率を超過した割合のことで、伝染病、パンデミック、飢饉、戦争などによって引き起こされる。
<欧州のワクチン完全接種率 Our World in Data 11月8日時点>
ポルトガル 87%(全人口)
スペイン 80%
イタリア 72%
オランダ 69%
フランス 68%
イギリス 67%
ドイツ 67%
ハンガリー 60%
チェコ 57%
ラトビア 55%
クロアチア 44%
ルーマニア 37%
ロシア 34%
ブルガリア 25%
ウクライナ 18%
アルメニア 7%
米国 57%
日本 74%