◎インドネシアはデルタ株の感染拡大に悩まされており、直近9週間の死亡者数は5万人に達した。
2021年7月30日/インドネシア、西ジャワ州ブカシにあるペドゥレナン墓地、棺を運ぶ関係者(Achmad Ibrahim/AP通信)

インドネシアの保健当局によると、国内のコロナウイルス累計死亡者数は10万人を超えたという。

インドネシアはデルタ株の感染拡大に悩まされており、直近9週間の死亡者数は5万人に達した。8月3日の新規陽性者数は33,900件、死亡者は1,598人、直近1週間の平均死亡者は約1,700人。

一部の専門家は、政府の公式発表数は過小評価されている可能性が高いと指摘している。

自宅療養中に死亡した患者の情報を追跡している独立系組織のLaporCOVID-19によると、6月初め以来、2,800人以上が自宅で死亡したという。組織の創設者のひとりであるアフマド・アリフ氏は、「政府は自宅で死亡した患者の大多数を集計できていない」と述べた。

世界保健機関(WHO)は先日、「インドネシアには患者を隔離できる医療機関、多くの医療用酸素、医療従事者用の保護具、野戦病院、遺体収納袋が必要」と懸念を表明した。

インドネシア病院協会のリア・パルタクスマ事務局長はAP通信の取材に対し、「ジャワ島の感染状況は特に深刻で、自宅療養中に亡くなったという報告を多数受けている」と述べた。保健当局によると、ジャワ島以外の島の集中治療室には多少余裕があるという。

首都ジャカルタの南に位置する都市ボゴールの住民、プラミルサ・スディルマン氏の両親と兄弟はコロナに感染したが、地元の病院が混雑し過ぎていたため、自宅療養を決意した。

スディルマン氏は地元メディアに、「医師から症状が悪化した場合は急いで病院に来るよう促された」と語った。「私と家族は自宅療養のリスクを知っていました...」

スディルマン氏の父親は回復傾向にあったが、突然容体が悪化し、自宅で死亡した。母親と兄弟は回復したという。

世界で4番目に人口の多いインドネシアの人口過密地域はデルタ株の抑え込みに失敗し、7月だけで30,000人以上が死亡した。6月の死亡者数は約8,000人だった。

政府はワクチン接種体制を強化し、国の工業用酸素の大半を医療用に転用し、隔離センターと野戦病院を増設し、病院への医薬品供給量を増やすことでデルタ株の抑え込みを図ろうとしている。

しかし、新規症例は7月中頃のピーク時に比べると多少減少したが、1日あたりの死亡者は1,500~2,000人の間で高止まりしている。

インドネシア医師会のリスク軽減チームで共同リーダーを務めるマヘサ・パラナディパ博士は地元メディアの取材に対し、「首都ジャカルタの医療機関の混雑はピーク時に比べると多少緩和されたが、感染の波は都市部から地方に移りつつあり、気の抜けない状況がしばらく続くと思われる」と語った。

2021年7月30日/インドネシア、西ジャワ州ブカシにあるペドゥレナン墓地(Getty Images/AFP通信)
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