◎イギリスの市民は、コロナウイルス変異種と感染拡大に伴う厳しいロックダウンに直面している。
◎フランスでもイギリス発と思われるコロナウイルス変異種に感染した患者が初めて確認された。
12月25日、イギリス政府はコロナウイルスの感染状況悪化に伴い、最も厳しい制限(ティア4)のエリアを拡大すると発表した。
今回、警戒レベルをティア4に引き上げた地域は、イングランド東部と南東部。市民約600万人にロックダウンおよび外出禁止令が課された。
スコットランドと北アイルランドも25日からロックダウンに移行した。
制限を緩和したウェールズ政府は、感染再拡大の影響で方針の見直しを余儀なくされている。
ブレグジット後の貿易協定成立に沸く市民は、コロナウイルス変異種と感染拡大に伴う厳しいロックダウンに直面している。
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、イギリスの累計感染者数は222万件、累計死亡者は70,195人、12月25日に新規陽性者数は32,725件、死亡者は570人だった。
スコットランド政府は25日の声明で、「本土全体の警戒レベルをティア4に引き上げ、3週間のロックダウンに移行する」とあらためて市民に周知した。
北アイルランド政府も警戒レベルを引き上げ、「6週間のロックダウン」に突入した。
一方、フランスではイギリス発と思われるコロナウイルス変異種に感染した患者が25日に初めて確認された。
保健省によると、感染した人物は、12月19日にロンドンから到着したトゥールのフランス市民だったという。
フランス政府はイギリスからの入国を先日許可したが、ドーバー港の大渋滞はほとんど解消されておらず、運転手数千人が大型トラック内でクリスマスを過ごした。
現在、ドーバー港には約1,000人の軍兵士が派遣されており、運転手のコロナ検査や誘導などの支援にあたっているという。
グラント・シャップス運輸長官は声明で、「運転手たちを家族の元に送り届ける。兵士たちは彼らの検査や陰性チェックをサポートする」と述べた。
ボリス・ジョンソン首相は25日に放送されたビデオメッセージの中で、「今年のクリスマスは、プレゼント、七面鳥、ブランデーバターではなく、コロナウイルス対策に集中してほしい」と述べた。
イギリスのロックダウン(対象:ティア4、期間:12月20日~)
・必須小売店(食料品店、薬局など)以外はすべて閉鎖。
・ジムと屋内プールは閉鎖。屋外プール、スポーツコート、ゴルフコースは営業可能。
・ティア4エリアの市民は、限られた理由(仕事、教育など)を除き旅行禁止。
・共同の宗教施設(礼拝所など)は営業可能。
・結婚式などのイベントは原則禁止。
・クリスマスパーティは最大2世帯まで。
・ティア4エリアの市民はクリスマスパーティに参加できない。
・他の世帯に会う場合、できるだけ早く、少なくとも5日間、不要な社会的接触を停止する。
・クリスマスパーティは個人の家や庭、礼拝所、公共の屋外スペースでのみ開催可能。
・子供もガイダンスに従うこと。
・別居中の親とその子供の接触は免除される。
<70歳以上の方への注意事項>
・可能な限り、屋外で人と会うこと。
・定期的に手を洗う。
・社会的距離を確保する。
・屋内で会う場合、換気を徹底する。