欧州への渡航禁止措置期間は30日

 ドナルド・トランプ大統領が下した決断「欧州への渡航禁止措置」は、EU諸国にとって青天の霹靂だった。ホワイトハウスから演説したトランプ大統領は、コロナウイルスの蔓延と拡大を防止するために必要な措置と説明。EUへの相談なく渡航禁止措置を敢行したことで、各国は大混乱に陥っている。

 今回実施される渡航禁止措置は、「14日以内に対象26か国での滞在歴がある外国人」に適用。対象国は「オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、スロバキア、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、ポルトガル、ノルウェー、オランダ、マルタ、ルクセンブルク、リトアニア、リヒテンシュタイン、ラトビア、イタリア、アイスランド(順不同)」。

 EU各国は「一方的な措置ではなく、協力が必要。突然入国が制限されれば、経済に与える影響は計り知れない」と警告。26か国に適用される渡航禁止措置は金曜日の深夜に発効される予定だ。

 トランプ大統領は「迅速に行動しなければならない、EUはアメリカ商品の税金を引き上げる際、相談なく実施した」と演説・声明の中に付け加えた。

 ダウ平均株価の暴落が今回の暴挙を招いたと、EU各国は頭を抱えている。欧州の大使のひとりは、「ひとつの大陸をターゲット(渡航禁止措置)にする行動より、協力し対処に当たることが重要」と強調する。他の大使たちも同様に落胆を隠せず、ポーランド駐米大使ダニエル・フリードは「トランプ大統領の発言に失望した」と述べた。

 アメリカ国内でのコロナウイルス発症事例は1,300件超、これまでに38人が死亡した。12日、ダウ平均株価はブラックマンデー(1987年)以来の下げ幅を記録、アメリカの渡航禁止措置が世界経済に壊滅的な被害を与える、との懸念が強まり、投げ売りは止まらず、株の売買を全て中断するサーキットブレーカーが発動した。

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