イギリス政府は、ファイザー社とバイオエヌテックが開発したコロナウイルスワクチンを世界で初めて承認した。
医薬品・医療製品規制庁(MHRA)はワクチンについて、「来週中に展開する」と述べた。
接種の順番は暫定的な優先順位リストにより決められている。最優先は介護施設の入居者とスタッフ、次に80歳以上の人と医療および社会福祉従事者が続く。
政府は4,000万回分(2,000万人分)のワクチンを確保しており、「最初の80万回分が数日中に到着する予定」と述べた。
ファイザー社のワクチンは、計画から接種まで1年かからなかった史上最速のワクチンとして記録される。本来であれば10年かかる開発ステップを同社は約10カ月でクリアした。
マット・ハンコック保険大臣はBBCニュースの取材に対し、「ワクチンの順番が回ってくれば、国民保健サービス(NHS)から連絡が入るだろう」と語った。
マット・ハンコック保険大臣:
「来年の夏には誰もが楽になると確信している」
NHSの責任者、サイモン・スティーブンス卿は、「史上最大規模の予防接種キャンペーンの準備を進めている」と述べた。
現在、約50の病院がワクチンの到着を待っており、会議場などに特設の予防接種コーナーを設置しているという。
一方、専門家は「引き続き警戒を怠らず、規則に従ってウイルスの拡散を防止する必要がある」と警告した。
「2,000万人がワクチンを接種してもコロナウイルスは消えない。ワクチン流通以降も、マスクを着用し、社会的距離をとり、手洗いを徹底することが大切だ」
ファイザー社のワクチンについて
・95%の確率で接種患者を保護する。また、65歳以上の患者の保護率も94%を示した。
・2020年に最大5,000万回分、2021年に最大13億回分の投与を目指している。
・2回接種する必要がある。
・輸送時の温度管理(ー75℃前後)が懸案事項だった。
種類 | 保護率 接種回数 | 試験数 (公表数) | 保存 期間 | 費用 |
ファイザー | 95% 2回 | 43,538人 | -75℃ 5日 | 20ドル |
モデルナ | 94.5% 2回 | 95人 | -20℃ 6カ月 | 33ドル |
オックスフォード | 62-90% 2回 | 24,000人 | 冷蔵庫 ー | 4ドル |
スプトーニクV | 92% 2回 | 20,000人 | 冷蔵庫 ー | 10ドル |
【まだ分かっていないこと】
・ワクチンはウイルスの拡散を防止する?
・単に発症を抑えるだけ?
・免疫を保持できる期間は?