バーは全て閉鎖、レストランは営業を続ける
10月5日、フランス当局はパリ地域を対象としたウイルス警報レベルの引き上げを発表。私的なイベントや集会を禁止し、市内全てのバーを閉鎖するよう求めた。なお、レストランは営業を続ける。
パリ警視庁のディディエ・ラルマン氏は記者団に対し、「今回の制限は少なくとも2週間継続される」と語った。
ディディエ・ラルマン氏:
「私たちはコロナウイルスの現実に適応しなければならない。感染者数を抑え込むための予防措置が必要だ」
フランス当局は、バーやレストランに集まる一部の人々が社会的距離やマスク、フェイスシールド着用ルールを守っておらず、密な状況になりやすいバーを主要な感染スポットと見なしている。
ウイルス警報レベルの引き上げに伴う制限は、10月6日から少なくとも2週間適用され、パリとその近郊のバーは休業しなければならない。なお、バーは各テーブル間の距離を1m以上確保し、グループは最大6人まで、利用時の個人情報収集を徹底してきたが、厳しい制限を要求されることになった。
また、スイミングプールを含む屋内スポーツ施設は18歳未満のみの利用に制限され、ジムは全て閉鎖する。
映画館、劇場、美術館は厳格な衛生規則に従い営業を続ける。ただし、見本市やイベント等を行うことはできない。
大きなスポーツイベントについては、1日あたり1,000人以下の観客制限を維持し、9月21日から始まった全仏オープンテニスは継続実施する。
地域保健局のオーレリアン・ルソー局長は5日の記者会見で、「現在、パリ地域の新規感染数は毎日約3,500件。コロナウイルス患者は同地域のICU病床の36%を占めている」と語った。
レストラン”Le SquareGardette”を所有するバージル・グランバーグ氏はABCニュースの取材に対し次のように述べた。
バージル・グランバーグ氏:
「レストランの制限は強化されないと聞き、安心した。今後も感染予防措置を徹底したい」
「バーの所有者たちは非常に厳しい。パリには酒を飲み、たむろする場所が必要だ」
他の地域でも制限が強化されつつある。
南の都市、マルセイユとエクス・アン・プロヴァンス、カリブ海のフランス海外県グアドループの警報も最高レベルまで引き上げられた。
対象地域ではバーやレストラン、全ての公共施設の閉鎖が決まり、これに反対するマルセイユの事業主たちは抗議活動を行った。
抗議活動の勢いが活発化したことを受け、当局はマルセイユとエクス・アン・プロヴァンスのレストランに対し、パリと同じ条件で営業を許可すると発表した。
フランス保健当局によると、10月3日の新規感染数は16,972件、過去最高を更新したという(4日は12,565件)。
フランスは3月のパンデミック以来、ヨーロッパの中で最も影響を受けた国のひとつであり、死者数は32,000人を超えている。
ジェラルド・ダルマニン内務大臣は、「パリのバーを閉鎖することはパリジャンにとって厳しい措置」と認めた。
ジェラルド・ダルマニン内務大臣:
「私たちはフランス人である。私たちはお酒を飲むこと、食べること、生きること、笑顔になること、そしてお互いにキスすることが大好きだ」
政府は、経済活動を破壊する全国的なロックダウンの再発出には否定的な立場を取っている。しかし、感染の集中している地域や都市では厳しい措置を実施せざるを得ないとコメントした。
・第二波により欧州各国で新たな規制が導入される
・英国の新規感染者が初めて10,000人を突破
【欧州の感染状況/10月6日時点】
累計感染者 | 累計死者 | 新規感染者 (直近) | |
イギリス | 51.6万人 | 42,369人 | 12,872人 |
スペイン | 79万人 | 32,086人 | 11,325人 |
オランダ | 13.6万人 | 6,454人 | 3,967人 |
フランス | 61.9万人 | 32,230人 | 12,565人 |
ドイツ | 30.2万人 | 9,533人 | 2,673人 |
イタリア | 32.8万人 | 36,002人 | 2,843人 |
デンマーク | 30,057人 | 659人 | 375人 |
ベルギー | 12.8万人 | 10,044人 | 3,175人 |
ポルトガル | 79,885人 | 2,018人 | 963人 |
アイルランド | 38,549人 | 1,810人 | 605人 |
スウェーデン | 94,283人 | 5,895人 | 436人 |
ロシア | 123万人 | 21,475人 | 9,859人 |