10日時点の死者数は277,000人超

10日、コロナウイルスの世界累計感染者数が400万人を突破。277,000人以上が死亡した(いずれもジョンズ・ホプキンズ大学調査)。

ただし、この数字はあくまで各国が”公表”している数字に基づいている。感染者数を把握できていないと国も多く、また検査体制、PCR検査数も先進国以外は限定的であり、実際の数字ははるかに多くなる可能性が高い。

被害の深刻なスペインなどを含む国、地域の死亡者数は減少傾向にある。しかし、感染を抑え込んだと思われたシンガポールのように、ロックダウンを解除することで”第二波”が発生する、と多くの専門家が警告している。

コロナウイルスは世界市場とサプライチェーンに深刻なダメージを与えているため、アメリカの一部地域、欧州、アジア・オセアニア地域の各政府は、ロックダウンを緩和、解除し、経済活動の段階的な再開を進めている。

今週、欧州の震源地のひとつとされたイタリアは、新規感染者数が大きく減少し始めたことをうけ、ロックダウンの緩和を開始した。これにより、屋外での運動が解禁、また、同一地域に住む親族宅への訪問も可能になった。

フランスでは、1日の死者数が1カ月以上連続で”徐々”に減少し続け、9日は80人だった。当局は隣接するスペインと同様に、11日から一部規制を緩和する予定である。

世界一厳しいロックダウンと言われた南アフリカは、野党からの厳しい解除要求や、不満を抱える住人による暴動などが発生しているものの、閉鎖状態を継続している。

韓国政府は、ソウルの観光施設、飲食店やショッピングモールなどの営業再開を許可。プロ野球とサッカーのプロリーグも、無観客試合を条件にシーズンを開幕した。ただし、マスク着用や社会的距離の確保など、感染拡大を防止する措置は継続中である。

急速な感染者と死者の増加に苦しむロシアは、モスクワでの軍事パレードを中止した。9日、プーチン大統領は戦争で犠牲になった国民の墓に花を手向け、演説を行った。同国ではパンデミックが急速に広まっており、医療体制のさらなる拡充が求められている。

増え続ける感染者と死者

ロックダウンを緩和、解除する国は、感染者数および死者数の減少と、停止した経済活動の再開を天秤にかけ、科学的根拠に基づきそれを決断する。

しかし、感染拡大、大量の死者、専門家たちが示す科学的根拠を無視する指導者も多い。彼らの言い分は様々だが、「ロックダウンは無意味」「何とかなる/頑張る」「時間が解決する」の3つに大きく分類できる。

ベラルーシでは、何千人もの兵士が”パレード”で街中を行進した。アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、厳しいロックダウン措置を拒否。「私はコロナウイルスが飛散するところを見たことがない。君はあるのか?」「感染を防ぐにはスポーツ観戦とウォッカが一番」などと発言し、話題を呼んだ。

イギリスの医学雑誌ランセットは、ブラジルのボルソナロ大統領を真っ向から否定、パンデミックを引き起こす最大の要因は、無能な指導者にあると述べた。同国は南アメリカ最大のホットスポットになっている。9日だけで感染者数は10,000人以上増加した。

また、国家の非常事態にも関わらず、ボルソナロ大統領はロックダウンと救済対策を拒否し続けている。先日、湖でジェットスキーを満喫していたと指摘、非難されるも、「息抜きは大切なことだ」とコメント、火に油を注いだ。

世界最大の震源地になったアメリカでも、ロックダウンの段階的な緩和が始まっている。経済活動を再開させ強いアメリカを取り戻したいトランプ大統領は、コロナウイルスの終息に向け厳しい舵取りを余儀なくされている。

同国の前大統領、バラク・オバマ氏は、トランプ大統領について、「パンデミックへの対応(対策)を誤り、これまでにない酷く壊滅的な災害を招いた」と厳しく非難した。

アメリカの感染者数は120万人を超え、77,000人以上が死亡した。3月に始まったロックダウンは、各州知事の判断で解除され始め、人々は仕事に戻りつつある。

しかし、保健当局は感染が収まらぬ中で規制を解除すれば、第二波を引き起こし、感染を拡大させる恐れがある、と警告する。

2月、トランプ大統領はコロナウイルスの危険性を見誤り、「ウイルスは消えてなくなるだろう」と発言した。しかし、翌月にはその危険性を認め、ロックダウンを実行した。

4月、トランプ大統領は消毒液を点滴すれはコロナウイルスを撃退できるだろうと発言するも、医療関係者たちに否定され、「ジョークだった」と訂正した。

PCR検査の体制拡充を急ぐ各国政府、ロックダウン解除への道
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