◎保健当局のまとめによると、5月19日の新規陽性者数は過去最高を大幅に更新する39,652件まで急増したという。アルゼンチンの累計感染者数は約341万人、累計死亡者は72,000人を超えた。
2021年5月12日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、労働条件の改善を求める抗議活動(AP通信/ビクターR.カイヴァーノ)

5月20日、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領はコロナウイルスの新規陽性者と死亡者が急増していることを受け、全国規模の厳格な封鎖を再開すると発表した。

保健当局のまとめによると、5月19日の新規陽性者数は過去最高を大幅に更新する39,652件まで急増したという。アルゼンチンの累計感染者数は約341万人、累計死亡者は72,000人を超えた。

ロックダウンの期間は5月22日から5月31日。必要不可欠な店舗(食料品店、薬局、ガソリンスタンドなど)以外は営業を許可されず、宗教やスポーツイベントなども原則禁止。夜間外出禁止令(20:00~6:00)込みで、医療従事者やインフラ関連など、政府が必須と認めた労働者は一部の制限を免除される。

フェルナンデス大統領はテレビ演説の中で、「アルゼンチンは危機的状況にある」と述べた。「新規症例と死亡者数は増え続けています。私たちはこの危機的な状況を真剣に受け止め、感染を抑え込むための措置を徹底しなければなりません」

アルゼンチンは昨年の3月に厳格な封鎖を実施したが、国民は封鎖がもたらす経済活動の混乱と自由の損失に苛立ち、制限の緩和を求めた。

政府は7月に封鎖を解除したうえで感染予防対策の徹底を呼びかけたが、新規陽性者は10月中頃に15,000件を超えた。それ以来、新規症例は減少と増加を繰り返し、今年4月に再び急増した。

現地メディアによると、国内のウイルスはインドやイギリスなどで確認された変異種にほぼ置き換わっており、医療機関は崩壊の危機に瀕しているという。

フェルナンデス大統領は、厳格な制限は5月31日まで続き、以降の規則は現在のレベルに戻ると述べた。「各地域の政府当局は、連邦政府が出した制限を順守してください。独自の制限は必要ありません。短期集中型のロックダウンに移行してください」

当局者によると、各産業に対する支援の詳細は連邦政府のホームページで確認できるという。

アルゼンチンのコロナワクチン接種は主要先進国に比べると大きく遅れている。総接種回数は5月20日時点で約1,000万回、少なくとも1回接種した人の割合は人口の約18%。フェルナンデス大統領は、今後数日中にロシアのコロナワクチン「スプートニクV」と英アストラゼネカワクチン400万回分以上が新たに輸入されると述べた。

<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合/5月21日時点
アメリカ:2億7,700万回/48%
イギリス:5,800万回/55%
ドイツ:4,200万回/38%
イタリア:2,900万回/33%
フランス:3,000万回/31%
カナダ:1,900万回/48%
日本:760万回/4%
アルゼンチン:1,000万回/18%
中国:4億5,000万回/20%
インド:1億8,600万回/11%
イスラエル:1,100万回/63%

世界:15億6,000万回/9%
アジア:7億9,400万回/5%
北米:3億3,000万回/34%
ヨーロッパ:3億300万回/28%
EU:2億700万回/33%
南米:9,900万回/15%
アフリカ大陸:2,600万回/1%

2021年5月12日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、労働条件の改善を求める抗議活動(AP通信/ビクターR.カイヴァーノ)
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