25日、現ホワイトハウスコロナウイルス対策チームの最高顧問を務める国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士はABCニュースのインタビューの中で、感謝祭の集まりを控えるよう嘆願した。
アンソニー・ファウチ博士:
「感謝祭は欠かすことのできない大切なイベントだと知っている。しかし、それを犠牲にすることで感染と命を救うことができる」
「感謝祭を諦めれば、コロナウイルスから自分と家族の身を守り、命を救い、未来をより明るくすることができる」
「ワクチンの供給は間近に迫っている。マスクを着用し、社会的距離を確保し、人混みと第三者との接触を避け、踏みとどまれば、この難局を乗り越えることができる」
ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染者数は1,280万人、累計死亡者数は26.2万人。24日の新規感染者数は178,200人、死亡者は2,216人だった。
ホワイトハウスは国内の感染状況が急速に悪化しているにも関わらず大統領選挙関連の訴訟に力を注ぎ、コロナウイルスに関する注意喚起は一切行っていない。
ファウチ博士は、休暇中に感染予防のアドバイスが実践されなければ、さらなる感染の拡大につながると警告した。
また、現在の感染急拡大の要因を大規模集会やバーなどの屋内施設と認めつつ、「家族単位の小規模な集まりでもクラスターは発生している」と注意を促した。
アンソニー・ファウチ博士:
「家族単位、2~4人規模の集まりになると、警戒心が緩んでしまう。バーや大きな集会だけでなく、自宅に誰かを招いた時点で感染のリスクが高まると理解してほしい」
ファウチ博士はコロナウイルスワクチンの接種を「躊躇する」と答えた人が多いことについて、「非常に懸念している」と述べた。
多くの市民が、本来であれば数年かかるワクチン開発を数カ月でクリアしたことに警戒感を示している。
ファウチ博士はワクチン開発について、「迅速な製造プロセスは、科学の進歩と莫大な予算に支えられている。安全性、化学的完全性は損なわれていない。開発の透明性と独立性を市民も理解する必要がある」と述べた。
一方、オペレーション・ワープ・スピードのチーフアドバイザー、モンセフ・スラウイ博士は先日、12月11日にはコロナウイルスワクチンの接種を開始できると公表している。
スラウイ博士はCNNニュースの取材に対し、ファイザー社のワクチンは承認されてから「24時間以内に予防接種サイトへ出荷する計画」と述べた。
モデルナ | ファイザー | |
保護率 | 94.5% | |
試験数 | 95人 | 43,538人 |
保存 | ー20℃ | ー75℃ |
保存期間 | 6カ月 | 5日 |
アメリカの感染状況
保健社会福祉省によると、先週1週間(18日~24日)のコロナウイルス関連の死亡者数は11,171人、前週から約35%増加したという。
また同じ期間の新規陽性者数は1,198,099件、前週から9.4%増加した。
入院患者数も右肩上がりで増加している。
COVID Tracking Projectによると、国内の入院患者は16日連続で最高記録を更新したという。
25日午後時点の入院患者は89,954人、まもなく9万人を超える。
【世界の感染状況/11月26日時点】
累計感染者 | 累計死亡者 | 新規感染者 (直近) | |
世界 | 6,030万人 | 142万人 | - |
アメリカ | 1,280万人 | 26.2万人 | 178,200人 |
インド | 922万人 | 13.5万人 | 44,376人 |
ブラジル | 617万人 | 17.1万人 | 47,898人 |
フランス | 217万人 | 50,618人 | 9,155人 |
ロシア | 216万人 | 37,538人 | 23,675人 |
日本 | 13.6万人 | 1,963人 | 1,471人 |