◎アジアの金融ハブである上海の住民2,600万人はまさかの食糧危機に陥っている。
2022年3月30日/中国、上海市の東部エリア、日用品を運ぶ当局者(Getty Images/AFP通信)

中国の習近平 国家主席は8日、上海市のコロナ新規陽性が急増しているにもかかわらず、セロコロナ政策と当局の対応を称賛した。

習 国家主席は北京冬季五輪関連のイベントで「当局の対応は金メダルに値する」と述べた。

アジアの金融ハブである上海の住民2,600万人はまさかの食糧危機に陥っている。

保健当局によると、上海の8日の新規陽性は過去最高の21,000件に達した。AFP通信は当局者のコメントを引用し、「ここ数日で陽性と診断された13万人のうち、重症患者は1人」と報じた。

本土および香港市内で陽性と診断された重症患者は医療機関、軽症と無症状患者は専用の隔離施設に収容され、自宅療養は認められていない。当局は先月、規則を一部緩和し、医療機関に入院する患者は原則重症患者のみになった。

中国版ツイッターのWeiboには封鎖を解除すべきという投稿が相次いで寄せられている。

北東部の吉林省吉林市は1カ月にわたる封鎖の末、ゼロコロナを達成したと発表した。しかし、Weiboユーザーによると、封鎖の解除時期は明らかにされていないという。

中国はゼロコロナを追求する数少ない国のひとつであり、西側諸国のWithコロナ政策とは対照的な対策を取っている。

上海の住民は「お金はあるのに卵ひとつ買えない」と嘆いている。

あるWeiboユーザーは「3日前に食料を注文したが届く気配がない」と投稿し、当局に支援を求めた。

住民はインターネットで食料や水を注文しているが、宅配便は当局の窓口に届く。現地で対応にあたっている当局者は宅配便の仕分け、政府が用意した食料の仕分け、PCR検査、隔離施設の運営、その他業務に忙殺されている。

一部の宅配サービスと食料品店のウェブサイトはパンクしたと伝えられている。

シカゴ大学の政治学者であるヤン氏はSNSに、「上海で生活する数百万人が物資不足に陥り、多くの人が1日1食に制限されている」と投稿した。

またヤン氏は、スマートフォンをあまり使わない高齢者に配慮する必要があると懸念を表明した。

一方、防護服を着た当局者がシャベルで犬を殴り殺す動画はSNSで反感を買っている。Weiboユーザーによると、陽性診断を受けた犬の飼い主は犬が生き残ることを期待し、外に放置したという。

習 国家主席は演説の中で、「中国のゼロコロナ政策は冬季五輪の試練を乗り越えた」と述べ、当局者の奮闘を称えた。

中国がゼロコロナ政策を見直す可能性は低いと信じられている。国営の新華社通信は8日の社説で、「中国は政策を断固として堅持する」と述べている。「コロナウイルスに感染した中国国民も春には暖かい日差しを楽しむことができるだろう」

2022年1月12日/中国、北京のオリンピックゾーンに設置されたマスコットと市民(Getty Images/AFP通信)
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