◎ゼロコロナ政策は多くの命を救ってきたが、経済を犠牲にし、中国だけでなく世界経済にも大きな影響を与えている。
2022年11月30日/中国、首都北京、定期PCR検査を待つ住民(Andy Wong/AP通信)

中国版ツイッターのWeiboによると、南部の主要都市広州でもゼロコロナ政策に反対する抗議デモが発生し、一部の市民と警察が衝突したという。

Weiboからツイッターに拡散した動画には、白い防護服を着た機動隊が抗議者が投げた石、瓦、ガラス瓶から身を守るところが映っている。

別の動画には手錠をかけられ連行される人々が映っていた。

報道によると、広州市は11月30日にいくつかの制限を緩和するという。

中国の新規陽性者数は連日過去最高を更新しているが、西側の主要国に比べるとはるかに少ない。

Weiboユーザーによると、「広州の乱」は29日深夜から30日早朝にかけて海珠区(かいしゅく)市内で繰り広げられ、数百人が参加したという。

AFP通信の取材に応じた広州の住民は、「機動隊員約100人がデモ隊に突撃し、少なくとも3人を逮捕した」と語った。

海珠区は今月初めにも怒りのゼロコロナデモが行われた。

今回の騒動は新疆ウイグル自治区のウルムチで先週発生した火災に端を発し、全国に拡大した。この火災では少なくとも10人が死亡したと報告されている。

Weiboにはコロナ対策の影響で消火が遅れたという投稿が多数寄せられているものの、当局はこれを否定している。

ゼロコロナに反対するデモは首都北京や上海でも行われ、数百人が参加したと伝えらえている。一部のデモ隊は習近平(Xi Jinping )国家主席の退陣を求めた。

当局はデモが行われた地域に警察官を配置し、パトロールを強化している。

共産党はこの騒乱に敵対勢力が関与していると主張している。Weiboにも不確かな情報が多数投稿されている。あるユーザーは「警察は拘束したデモ参加者を脅迫し、逮捕を免れた市民を追跡している」と投稿した。

AFP通信は情報筋の話を引用し、「共産党は市民生活への影響を考慮し、ゼロコロナ政策を微調整する」と報じているが、緩和されるか否かは不明である。

ゼロコロナ政策は多くの命を救ってきたが、経済を犠牲にし、中国だけでなく世界経済にも大きな影響を与えている。

Weiboの中で特に目立っているのが「定期PCR検査をやめてほしい」という訴えである。感染者が出た地域の住民はその都度検査を複数回受ける必要がある。

共産党は高齢者のワクチン接種が進んでいないことに懸念を示し、積極的にワクチンを接種するよう呼びかけている。しかし、公式の累計死者数は5300人ほどで、米国の約110万人、インドの50万人、日本の5万人に比べるとはるかに少ない。

専門家によると、ゼロコロナでウイルスの拡散を阻止した結果、感染を免れた人たちは免疫を持っておらず、重症化するリスクが高いという。しかし、それは西側諸国も同じである。

2022年11月30日/中国、首都北京(Andy Wong/AP通信)
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