◎米国内における5歳~11歳のコロナ累計感染者数は11月2日の時点で約180万件、累計死亡者は200人未満で、亡くなった児童の多くが何かしらの疾患を持っていた。
2021年10月16日/ベルギーの医療機関、子供用ファイザーワクチン(Pfizer/AP通信)

11月2日、米疾病予防管理センター(CDC)の諮問委員会は食品医薬品局(FDA)の決定に基づき、5歳以上のファイザーワクチン接種を承認した。

5歳~11歳の児童が摂取するファイザーワクチンの用量は12歳以上の3分の1。12歳以上の容器(紫色)との混同を避けるため、小児用ワクチンのキャップはオレンジ色が採用された。

CDCの諮問委員会はFDAの決定を全会一致で承認し、その数時間後、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は諮問委員会の勧告を承認した。

ワレンスキー所長は声明の中で、「分からないことや不安なことがある保護者は、小児科医、学校の看護師、地元の薬剤師などを通じて子供のワクチン接種の重要性を学んでほしい」と呼びかけた。

またワレンスキー所長は、「子供の重症化リスクは大人より低いが、コロナウイルスは学生の健康、メンタル、教育を受ける権利に影響を与えた」と述べ、ワクチンはコロナ禍以前は当たり前だった対面授業を取り戻すうえで欠かせないと強調した。「昨年入学した児童は対面授業を知りません...」

ジョー・バイデン大統領は2日の声明でCDCの承認をターニングポイントと呼び、歓迎した。「小児用ワクチンは保護者の心配を数カ月で終わらせ、子供たちをコロナウイルスから保護し、感染拡大を抑えるでしょう...」

NBCニュースによると、今年、コロナウイルスの影響で対面授業を中止した学校は約2,300校にのぼり、約120万人の生徒が8月以降の学校閉鎖の影響を受けたという。

米国内における5歳~11歳のコロナ累計感染者数は11月2日の時点で約180万件、累計死亡者は200人未満で、亡くなった児童の多くが何かしらの疾患を持っていた。

テキサス小児病院のジェームズ・ヴェルサロビッチ博士は、「デルタ株の感染力を考えると、子供用ワクチンの接種は対面授業の再開に向けた重要な一歩になる」と述べた。「保護者はパンデミックが終わっていないことと、ワクチンの重要性を理解する必要があります...」

FDAの臨床試験結果によると、ワクチン接種を終えた5歳~11歳の児童の保護率は91%で、免疫応答は16歳~25歳の臨床試験で確認した結果と同じだったという。また、臨床試験の中で深刻な副反応は報告されなかった。

しかし、米国のワクチン接種は停滞しており、接種を終えた人は人口の60%に届いていない。12歳以上で接種を終えた人は約68%。

カイザー・ファミリー財団が先月行った世論調査によると、回答者(保護者)の約3分の1が「子供にすぐワクチンを接種させる」と答え、3分の1は「様子を見たい」と回答したという。

一部の保護者はごく稀に発症すると報告されている心筋炎に懸念を表明した。心筋炎の発症リスクは若い人ほど高いと考えられている。

ホワイトハウスは1日の声明で、5歳~11歳の児童約2,800万人全員に必要な子供用ワクチンをすでに確保しており、接種に向けた準備を進めていると明らかにした。

2021年1月4日/ベルギー、リエージュの病院、解凍中のファイザーワクチン(AP通信/Francisco Seco)
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