◎米疾病予防管理センター(CDC)の新しいガイダンスによると、コロナワクチンの接種を終えた人は「他のコロナワクチン接種を終えた人」とマスクなしで接したり集まったりすることができるという。
米疾病予防管理センター(CDC)の新しいガイダンスによると、コロナワクチンの接種を終えた人は「他のコロナワクチン接種を終えた人」とマスクなしで接したり集まったりすることができるという。このガイダンスは3月8日に公表された。
ただし、旅行をしたり、大規模な集会を開催できるという意味ではないとCDCは補足している。
CDCは2回目のコロナワクチンを接種(ジョンソン・エンド・ジョンソンワクチンであれば1回目)してから2週間経過した人を「完全な接種者」と見なしている。その条件をクリアした人たちは社会的距離を気にすることなく、マスクを着用せずに接することができるという。
また、接種を終えた祖父母が健康な孫の自宅を訪問することも許可した。ただし、成人は全て完全な接種者で、単一世帯かつ重篤な疾患のリスクを抱えていないことが条件。
CDCは完全な接種者であれば友人宅を訪問したり、海外旅行したり、ライブに行けると考える人が増える可能性を想定し、条件を細かく設定している。
CDC局長のロシェル・ワレンスキー博士は8日の記者会見で、「ワクチンの接種者は確実に増加しています」と述べ、新しいガイダンスを「正常を取り戻すための第一歩」と呼んだ。
「新規症例と死亡者数は確実に減少し、より多くの市民がワクチンを接種しています。接種を終えた人のコロナの感染リスクやウイルスを拡散するかどうかなどは今後の研究で明らかになると思いますが、接種を終えた人々はより多くの活動が可能になります」
CDCは新しいガイダンスの中で、接種を終えた人も適切にマスクを着用し、人の多いエリアへの移動を避け、社会的距離を確保するよう推奨し続けている。また、ワクチン接種後にコロナと思われる症状が出た人は、速やかに検査を受けるようアドバイスしている。
CDCによると、アメリカで認可されたコロナワクチンの接種を終えた人は約3,100万人(人口の約9%)、1回目の接種を終えた人は5,880万人に達したという。
コロナワクチンの世界的な接種は昨年末から本格的に始まり、2回目の接種を終えた人は確実に増加している。当局者によると、接種を終えた人から次のような問い合わせを受けることが増えたという。
「マスクを外してもいいですか?」
「バーに行ってもいいですか?」
ロバート・ウッド・ジョンソン財団の最高経営責任者を務めるCDCの元代理局長、リチャード・ベッサー博士は新しいガイダンスを歓迎した。
ベッサー博士は声明の中で、「新しいガイダンスは予防接種の加速を促す」と期待し、「州政府と市民は、経済とコミュニティを再開するために必要な公衆衛生ロードマップに従う忍耐力を持ってほしい」と述べた。
一方、ジョージ・ワシントン大学ミルケン研究所公衆衛生学校の客員教授、リーナ・ウェン博士は新しいガイダンスを「あまりにも慎重すぎる」と指摘した。
CDCは旅行に関する推奨事項を変更しておらず、不必要な移動を思いとどまらせ、帰宅から数日以内に検査を受けるよう推奨しており、全国または海外の家族を訪問したいと考えている完全な接種者は、ガイダンスを見て混乱する可能性がある。
また、一部の州知事は事業再開を発表しているにもかかわらず、新しいガイダンスはレストランや他の施設に行くことには触れていない。
ウェン博士はAP通信に、「CDCはワクチンの接種状況をガイダンスと結び付けていません。また、限られたガイダンスを発表することで、連邦政府と州の政策に影響を与える機会を逃しています」と述べた。
新しいガイダンスは、「コロナウイルスに感染し、回復することである程度の免疫を獲得した可能性のある人」については触れていない。