◎保健当局はオミクロン株の感染拡大が続いているにもかかわらずノーマスクで大騒ぎする群衆に懸念を表明した。
2022年1月23日/ベルギー、首都ブリュッセル、政府とEUのコロナ対策に反対するデモ(Geert Vanden Wijngaert/AP通信)

1月23日、ベルギーの首都ブリュッセルで政府とEUのコロナ対策に反対する抗議デモが開催された。警察によると、推定5万人が中心部の広場に集結し、一部の暴徒と治安部隊が衝突したという。

保健当局はオミクロン株の感染拡大が続いているにもかかわらずノーマスクで大騒ぎする群衆に懸念を表明した。

現地メディアによると、デモにはドイツやフランスの極右団体も参加したという。抗議者たちは「自由!」と叫びながら行進し、許可を得たルートから外れた一部の暴徒と治安部隊が衝突した。

暴徒たちはEU外交官が使用する建物に石を投げつけ窓を破壊した。別の通りでは治安部隊の列に打ち上げ花火が撃ち込まれた。

コロナ対策およびワクチン接種に反対する抗議デモは各地で開催され、バルセロナでは数百人が行進した。フランスの抗議者はワクチンパスポートの廃止を求め、ドイツの抗議者はワクチン義務化に向けた準備が進んでいることに抗議した。

ブリュッセルのEU本部近くに集まった暴徒たちは治安部隊に道を開けるよう求めたが、当局はこの要求を速やかに却下し、放水砲と催涙ガス弾で応戦した。

ある暴徒は治安部隊に、「道を開けなさい!国民の権利を奪わないでください!」と拡声器で呼びかけた。甲冑のコスプレを着た暴徒は隊員のひとりにペイントボールを投げつけ、「地獄に落ちろ」と叫び、放水砲で追い払われた。

ブリュッセルの警察は声明で、「暴動に関与した70人を拘束し、市民12人と警察官3人が病院に搬送された」と明らかにした。AP通信によると、負傷者はいずれも軽症だという。

ある暴徒はAP通信の撮影クルーを攻撃し、カメラを奪おうとした。別の地元メディアも攻撃を受けたと報告している。

バルセロナの中心部を行進した数百人は、「独裁政権を打倒せよ!」と書かれた旗を振り回し、政府のコロナ対策とワクチンに反対した。ある抗議者はスペイン放送協会に、「政府はオミクロン株を受け入れるべきだ」と語った。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、ベルギーのワクチン接種率は人口の約77%、ブースター接種率は53%。直近1週間の新規陽性は1日あたり40,000件を超えたが、死亡者は50人以下を維持している。累計死亡者は23日時点で28,780人。

スペインの直近1週間の新規陽性は約12万件まで増加したものの、死亡者は150人以下。ただし、全国の病床使用率は上昇し続けており、一部の病院は一般外来や緊急以外の手術を見合わせている。ワクチン接種率は約81%。

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